2013 Fiscal Year Annual Research Report
「E―サポート民事紛争処理システム」の構築のための比較法的総合研究
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23330029
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
川嶋 四郎 同志社大学, 法学部, 教授 (70195080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
園田 賢治 同志社大学, 司法研究科, 准教授 (20363012)
上田 竹志 九州大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (80452803)
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Project Period (FY) |
2011-11-18 – 2016-03-31
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Keywords | 民事訴訟 / ICT / 民事救済法 / 司法制度 / 民事執行 / 倒産 / 司法改革 / 弁護士 |
Research Abstract |
本研究は、これまで私たち3名が行ってきた「救済法」研究と「e-サポート裁判所」研究の成果を踏まえた「法のライフライン」構想の集大成として、「e-サポート民事紛争処理システム」の全体像を、具体的かつ総合的に提示し、日本における民事救済手続システムの完成を目的とする。 この研究を通じて、「民事司法へのユビキタス・アクセス」を現実に実現するために、手続への恒常的アクセス過程とその手法および紛争処理手続過程の詳細を提言し、「e-サポート裁判所」を中核とし各種ADR機関(裁判外紛争処理機関)との連携・統合を実現し、ICT(Information and Communication Technology)を活用した「e-サポート民事紛争処理システム」の具体的設計とそのための諸種の課題に取り組み、「法のライフライン」構想を具体化しることを目的とし、毎年、段階的にそれを実現してきた。 とりわけ、「法のユビキタス・アクセス」を実現するためのICT化の可能性を探究してきた。また、「e-サポート民事紛争処理過程」の構築にとって不可欠な和文文献・英独文献等の収集、分析、研究に携わることができ、かつ、このような基礎的な文献の収集と読解およびその成果に基づいた意見交換は、研究期間のすべてにわたって行うことができた。 本年度は、昨年度までの第1期で、本共同研究者が各自、上記目的に即した研究計画およびすでに収集した資料等の研究分析を中心に研究を行いつつ、具体的な成果を公刊することを企画しているが、その成果の一端も、公刊することができた。また、本研究の目的を達成するために、日本各地を訪問し、司法過疎、司法アクセスの現状の調査をも行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、川嶋四郎、上田竹志、園田賢治の3名が行ってきた「救済法」研究と「e-サポート裁判所」研究の成果を踏まえた「法のライフライン」構想の集大成として、「e-サポート民事紛争処理システム」の全体像を、具体的かつ総合的に提示し、日本における民事救済手続システムの完成を目的とするものであるが、おおむね当初の計画通り進行できており、すでに研究成果の一部も公刊できたことから、おおむね順調に進展していると、評価しています。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度も、当初の計画で具体的に示した通り、具体的な制度設計の完成に向けて全力を傾注する。この時期までに、「e-サポート民事紛争処理システム」の設計図(青写真)を完成させ、それを踏まえた具体的な意見交換を行いたい。 その際には、これまでの諸研究や諸調査で協力を仰ぐことができた人々や各種の施設の協力を得て、様々な場で意見交換を重ね、紛争解決シミュレーションを可能としたいと考えている。特に、インターネットを通じた民事裁判(e-サポート裁判)を実施している様々な国の実情を視察・調査し、また、この領域における主要文献もさらに読み進めて、本課題の目的の実現に邁進したい。 そのためには、文献や情報の収集、裁判傍聴、意見交換、外国使節の見聞と意見交換などは不可欠であり、今年度もそれらを実施していきたい。とりわけ、東日本大震災以降、より切実なかたちで、迅速かつ効率的な司法アクセスの保障が不可欠となっていることから、東北地方への視察は不可欠と考える。それと同時に、現実にその現場で活躍している弁護士からも情報を得て、インターネットを介した民事紛争処理の具体化のための青写真と描きたい。その前提として、様々な理論的課題に対しても、真摯に取り組んでいきたい。
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Research Products
(9 results)