2014 Fiscal Year Annual Research Report
「E―サポート民事紛争処理システム」の構築のための比較法的総合研究
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23330029
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
川嶋 四郎 同志社大学, 法学部, 教授 (70195080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
園田 賢治 同志社大学, 司法研究科, 准教授 (20363012)
上田 竹志 九州大学, 法学研究院, 准教授 (80452803)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 民事訴訟法 / ICT / 民事救済法 / 司法制度 / 院事件執行・保全法 / 倒産法 / 司法改革 / 弁護士 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題である「E―サポート民事紛争処理システム」の構築のための比較法的総合研究は、これまで代表者である川嶋が行ってきた「救済法」研究と「e-サポート裁判所」研究の成果を踏まえた「法のライフライン」構想の集大成として、「e-サポート民事紛争処理システム」の全体像を具体的かつ総合的に提示し、日本における民事救済手続システムの完成を目的としている。 この研究を通じて、「民事司法へのユビキタス・アクセス」を現実に実現するために、手続への恒常的アクセスの過程とその手法および紛争処理手続過程の詳細を提言し、「e-サポート裁判所」を中核としつつ各種ADR機関との連携・統合を実現し、ICT(Information and Communication Technology)を活用した「e-サポート民事紛争処理システム」の具体的設計とそのための諸種の課題に取り組み、「法のライフライン」構想を具体化するための基礎的研究を開始し、そのための資料収集等にも着手した。 本研究は、民事手続過程をトータルに研究してきた川嶋を研究代表者として、民事訴訟審理の研究をはじめ、裁判官の役割等についての比較法的研究を行ってきた園田(研究分担者)と、リーガルXMLを本格的に研究する数少ない民訴研究者でありICTに関わるシステム・エンジニア(SE)としての職歴をも有し、かつ法哲学・法社会学的見地から民事訴訟の基礎的研究に取り組んできた上田(研究分担者)とが、連携を密にした比較法的な総合研究を行い、「ICT化した民事紛争処理システム」の全体像を具体的に提言することが、本研究の最大の眼目である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
下記の具体的な業績として挙げたしたように、本年度であり、研究目的および研究実施計画に従い、限られた時間の中で、研究課題を実現するための基礎資料(基礎文献など)を収集し、また、中央から遠く離れた日本の地方と呼ばれる地域における裁判所およびそこにおける当事者等を調査するフィールド・ワークなども行い、今後の研究の基礎を、ある程度得ることができ、しかも、具体的な業績も交換できたので、②と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
すでに述べたように、本研究はこれまで順調に進んでいるので、今後このようなペースで着実に研究を進めてゆきたい。 現在、すでにこれまでの研究を、いくつかの論文等として公刊しつつあるが、今後、さらに、いくつかの論文を公刊し、さらに、1冊の著作としてまとめてゆきたい。 本研究は、単なる理論研究だけではなく、理論と実務を架橋する実践的な意味合いを含めた研究であるため、研究成果を実践につなげるために、再校裁判所、法務省、弁護士会などに研究成果を送付し、具体的なシステム創造に貢献し、来年度以降のさらなる研究につなげてゆきたい。
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Remarks |
なし
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Research Products
(7 results)