2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23330178
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
岡部 卓 首都大学東京, 人文科学研究科, 教授 (40274998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 理 東海大学, 健康科学部, 専任講師 (80338764)
西村 貴之 首都大学東京, 人文科学研究科, 助教 (60533263)
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Keywords | 貧困 / 生活保護受給有子世帯 / 社会的排除 / 学習・進学支援 / 差別 / プログラム開発 |
Research Abstract |
本研党の目的は、生活保護受給有子世帯を対象とし貧困の再生産(世代間継承)解消の観点から学習・進学支援に関する研究を行うことにある。具体的には、生活保護受給有子世帯の学習・進学の実態把握と課題の析出、子ども支援プログラムの策定並びに評価指標の開発、効果測定を行うことにある。 本年度(初年度)においては、大きくは、次の3つの研究を行った。(1)貧困再生産解消に向けた国内外の動向として、(1)国・自治体の動向、(2)海外の動向の全体把握に努めると共に教育・進学率の高い韓国の動向について文献研究を通して行った。(2)生活保護受給世帯の学習・進学支援に関する研究として、生活保護受給世帯の実態把握、課題の析出について、次の3つのアンケート調査並びにインタビュー調査を実施し集計分析を行った。(1)利用者調査-生活保護受給有子世帯がどのような生活実態・課題があるのか、またどのような学習・進学意向をもっているのか(アンケート並びにインタビュー調査、A県所管福祉事務所生活保護受給有子世帯対象、全数調査)、(2)ワーカー調査-生活保護受給有子世帯に対しどのような支援実態と支援課題があるのか(A県下福祉事務所対象、全数調査)、(3)関係機関調査-関係機関が生活受給世帯に対しどのような支援実態と支援課題があるのか(A県所管福祉事務所を基点として関係機関に対するアンケート並びにインタビュー調査、抽出調査)。(3)プログラム開発・評価・測定について、本年度は、学習・進学に関わるプログラムを中心に子どもの健全育成の観点から開発を行った。本年度は、研究班による月1回程度の定例会議の開催し、調査の実施方法や調査結果の検討等を行った。またA県職員の方々には、プログラム開発・実施等の会議や打ち合わせを月1回の頻度で行い、さらには調査票作成・実施等の協力を得た。 上記の研究から、本年度は(1)を通して国内外の貧困の再生産解消に向けた政策動向の把握や理論的検討を、また(2)を通して学習・進学の実態把握と課題の析出を、(3)を通して解決方策としてのプログラム開発を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
生活保護受給世帯の学習・進学支援に関する研究として、23年度においては、(1)国内外の研究(文献、自治体調査)を行った。(2)利用者、ワーカー、関係先に対する調査(アンケート調査)を実施・集計・分析・考察を行った。また、先のアンケート調査に加えて、利用者(養育者)と関係先に対するインタビュー調査を実施し、その結果を書き起こして文書化している。(3)学習・進学を中心とするプログラム開発・実施を行った。 以上のように当初の計画に沿って調査研究が実施されているため「おおむね順調に進展している」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度(1年目)おいて行った3つの研究のうち (1)国内外の研究は、主として先行研究の整理を中心に行っているが、次年度(2年目)は政府統計等の資料を通して検討を行う。 (2)調査研究については、初年度調査結果のさらなる分析・考察とフォローアップ調査(当事者インタビュー調査等)を実施予定である。 (3)プログラム研究については、プログラムの評価指標の開発と効果測定を実施する予定である。なお引き続き研究班による月1回の定期的な研究会の開催、A県の協力を得て調査研究を行うと共にA県の職員の方々と検討会を組織しプログラム策定・実施・評価のための会議や打ち合わせを月1回の頻度で行う予定である。
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Research Products
(15 results)