Research Abstract |
よい行為の習慣形成を目指す品格教育(character education)は,小中連携で9年一貫で,学校・家庭・地域で連携して子ども達の規範意識を育む生徒指導体制を可能にする。全国で,150校以上が品格教育に取り組む中,実践に必要な具体的な工夫はまだよく知られていない。そこで本研究は,品格教育の発祥地,「アメリカのcheracter education優秀表彰校を訪問して視察し,(2)問題行動の指導,道徳教育と倫理学,特別支援,小中の接続,地域連携のためのツールの活用の視点からまとめ,(3)日本での各学校の取り組みを同じ視点でまとめ,(4)米国の専門化を招いてセミナーを開き,(5)教育効果の測定を認知理論に基づく方法,(5)縦断的な方法を使ってデータに基づいて検証し,小中学校の接続,教育課程への位置づけ,学校・家庭・地域への連携の具体的な方策について提案する研究を行うことである。 本年度は,(1)米国のcharacter education優秀校の視察を,問題行動の指導,特別支援教育,教育評価,道徳教育,倫理学,そして,家庭や地域と連携するための情報伝達の工夫という観点でまとめた。次に,(3)の日本の取り組みを調べるため,日本の学校を訪問したり,地域の教育委員会から状況をうかがったりした。さらに,認知理論に基づく効果を検討するため,教育委員会と連携して,よい習慣作りに,研究指定校として1年早く取り組み始めた学校とその他の学校について,品格のテーマについての再認テスト,テーマに対する態度を比較検討し,ある程度の効果が見られることを確認した。さらに,縦断研究を行うための質問紙づくりや教育委員会との交渉を行った。
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