2011 Fiscal Year Annual Research Report
多言語環境下の特別な教育ニーズ評価の試み:多言語併用と障害の相互作用の視点から
Project/Area Number |
23330279
|
Research Institution | Kyoritsu Women's University |
Principal Investigator |
権藤 桂子 共立女子大学, 家政学部, 教授 (90299967)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 智子 東京学芸大学, 国際教育センター, 教授 (20296792)
大井 学 金沢大学, 学校教育系, 教授 (70116911)
|
Keywords | バイリンガル / 自閉症スペクトラム障害 / 言語コミュニケーション / 語用論 / 多言語環境 / 特別支援ニーズ |
Research Abstract |
平成23年度の成果は以下のとおりである。 1.語用論の評定のため、現在開発中のChildren's Communication Checklist-2(Bishop2003,大井他訳2009)のコミュニケーション・アセスメントツールとしての有効性を4事例研究により実践的に検討し、平成23年5月日本保育学会で発表した。幼児期の約600名のデータについて妥当性、信頼性、評定者による違いについて解析し、平成24年度の学会発表準備を行った。 2.米国イリノイ州Dooley Elementary Schoolを10月および2月に訪問し、昨年より継続の日英二言語併用定型発達児21名のデータ収集を終了した。さらに研究協力者を募り、平成24年度のデータ収集15名分について具体的計画を作成した。また、日本語モノリンガル発達障害児15名、日本語モノリンガル提携発達児15名のデータ収集を終了した。 3.日本のインターナショナルスクール等を訪問し、研究協力者を募った。しかし、震災の影響で、日本での研究協力者集めが難航しているため、シカゴの自閉症児の学校、日本語補習校、日本人学校の訪問をし、研究協力を依頼した。 4.すでに収集した言語検査データ、会話データについて解析を開始した。これまでの成果を24年度に学会発表する準備を行った。 5.平成23年11月26日に分担研究者との共催で、「日英バイリンガル児童と学校教育-これまでの成果と今後の課題-」を共立女子大学にて開催した。学校関係者、心理士、親、研究者等約70名の参加者を得た。 6.平成23年11月27日に分担研究者との共催で国際シンポジウム「多言語環境児童の学習言語の発達障害-イマージョン教育から見えてくること-」を共立女子大学にて開催した。日英イマージョン教育・発達障害児にかかわる教育者の支援から話題提供がなされた。学校関係者、心理士、親、研究者等約60名の参加者を得た。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
バイリンガルASD(自閉症スペクトラム障害)研究協力者募集が難航している。H22年3月の大震災後、すでに研究協力の同意を得ていた家族が帰国し、新たな協力者を得ることが難しい状況が続いている。
|
Strategy for Future Research Activity |
日英バイリンガルASDの研究協力者を募るため、日系人が多く住むカナダのバンクーバー、トロントなどの自閉症家族会などに働きかけることにしている。また、イギリスの研究者との連携で、英語モノリンガルASDのデータ収集ができるよう交渉を進めている。
|
Research Products
(9 results)