2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23340012
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮岡 礼子 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70108182)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ラグランジュ部分多様体 / 安定性 / L2調和1形式 / トランスノーマル関数 / 等径関数 |
Research Abstract |
正リッチ曲率をもつ非コンパクト完備極小ラグランジュ部分多様体Lが安定なとき,L2調和1形式をもたない事を示し,余次元1のサイクルはLを二つの部分に分けない事を示した.曲面の場合は種数が0である事がわかった, コンパクトな場合は,シンプレクティック多様体のラグランジュ部分多様体の極小性,安定性がよく研究されているが,非コンパクトな場合の研究は見当たらないので,上記の結果は真に新しいものである. 非コンパクトな場合,Green-Wu, Li-Tam, S.T. Yauらの非コンパクト完備リーマン多様体にどのような調和関数が存在するかと言った先行研究を知る事が必要となる.ある性質をみたす調和関数の存在,非存在により,リーマン多様体はパラボリック,ノンパラボリックに分類され,更にエンドもパラボリック,ノンパラボリックに分類される.ここでは体積の増大度が重要であり,研究上,解析が大きな部分を閉める事になる.体積増大度により,有界な調和関数,もしくは有限ディリクレ積分をもつ調和関数の存在,非存在が言えて,L2調和形式の存在,非存在に深く関わってくる.更にL2調和形式の存在,非存在は多様体の位相及び共形構造に結びつく.特に曲面の場合は特殊事情により,より詳しい事が分かる. 他方,ラグランジュ部分多様体の極小性,安定性は弱い意味,つまり,ハミルトン極小,ハミルトン安定と言う範疇で研究する事が重要であり,これは今後の課題である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
L2調和形式と極小ラグランジュ部分多様体の関係の研究は,新たな取り組みのため,現在進行中である. 超曲面の研究,モーメント写像の導入など新たな見地で取り組んで,成果をあげている.
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Strategy for Future Research Activity |
曲面の場合のより詳細な研究と,Hamilton安定性から何が言えるかを調べる.とくにbiharmonic operatorの第1固有値を調べる. 引き続き超曲面の研究,可積分系との関わりに着目した研究を継続する.
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