2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23340037
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
梶原 健司 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 教授 (40268115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 哲 青山学院大学, 理工学部, 准教授 (00335457)
太田 泰広 神戸大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (10213745)
中屋敷 厚 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (10237456)
井ノ口 順一 山形大学, 理学部, 教授 (40309886)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 離散可積分系 / 離散微分幾何 / 離散曲線・曲面論 / 離散正則函数 / τ函数 |
Research Abstract |
(a)(i)mKdV方程式による定捩率空間曲線の捩率保存等周変形の理論の離散化を,定捩率空間離散曲線の接触平面上における捩率保存等周等距離変形として定式化することに成功した.接触平面上の等周等距離変形は一般に捩率を保存しないが,変形パラメータを調節することで捩率保存にできる.また,離散mKdV方程式と離散sine-Gordon方程式の2通りの変形を各ステップで任意に選択でき,その選択も変形パラメータにより制御できる.さらに,Sym-Tafelの公式を離散曲線にも適用でき,離散mKdVまたはsine-Gordon方程式の解から曲線を再構成できる.変形された離散曲線の族のなす離散曲面は離散K-曲面であることも示される.(ii)リーマン面から不変アフィン接続を備えたリー群への調和写像に対するループ群論的構成法を与えた.(iii)3次元ベルジェ球面内の標準的接触構造から定まる磁場に対する閉軌道の分類を与えた.(iv)3次元ハイゼンベルグ群内の極小曲面に対するループ群論的構成法を用い,回転対称性を持つ極小曲面を構成した. (b)離散冪函数の理論を考察し,離散冪函数に対してパンルヴェVI型方程式の超幾何τ函数(超幾何函数を要素に持つカソラチ行列式)を用いた明示公式を確立した.その結果を用いて指数の実部が1のときにはめ込み写像になっていることを厳密に証明した. (c)平面曲線の変形理論を応用して,ループソリトン型のソリトン方程式の離散化を,可変ステップサイズ制御付き数値計算スキームの形で構成する手法を見いだした.その例としてDym方程式の離散化を与えた. (d)可積分系のτ函数の性質を用いて代数曲線のテータ函数の性質を研究した.KP階層のτ函数の満たす微分に関する性質を一般に解明し,それを用いて代数曲線のテータ函数に関するリーマンの特異点定理の精密化を定式し証明した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(a)の空間離散曲線の離散変形の理論で,曲線の変形と離散可積分系との関係を明示的に与えたものは本研究が初めてである.また,変形が2種類の離散流を許容し,かつ,変形パラメータで離散流の選択ができるという性質は当初予測していなかった興味深いもので,これも本研究で初めて得られたものである.また,離散化を意識して可積分幾何で記述される曲面,曲線のクラスが当初の予想以上に広がっている.(b)では厳密な証明が予想以上に技術的に困難で,少し計画より遅れている.(c)ではホドグラフ変換の離散化が幾何学的な背景から可能になり,その本質的操作を抜き出すことである程度組織的に行えるようになり,予想以上に拡がりを見せている.(d)に関してはほぼ予定通りの進展である. 全体として,おおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
個別の項目についての進度の差はあるが,理論研究で通常起こり得る程度の揺らぎであるので,計画はこれまで通り,すなわち,(a)離散曲面・曲線論,(b)離散正則函数の理論,(c)さまざまな幾何学的設定の下でのループソリトン系の離散化と数値解析,(d)離散ソリトン系・離散曲線の運動の周期解の構成,の4項目を着実に進めてゆく.
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Research Products
(39 results)
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[Presentation] 可積分幾何入門2014
Author(s)
井ノ口順一
Organizer
離散可積分系・離散微分幾何チュートリアル2014
Place of Presentation
九州大学マス・フォア・インダストリ研究所
Year and Date
20140223-20140223
Invited
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[Presentation] 可積分系入門2014
Author(s)
梶原健司
Organizer
離散可積分系・離散微分幾何チュートリアル2014
Place of Presentation
九州大学マス・フォア・インダストリ研究所
Year and Date
20140222-20140222
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[Presentation] 可積分系のテータ関数解2014
Author(s)
中屋敷厚
Organizer
離散可積分系・離散微分幾何チュートリアル2014
Place of Presentation
九州大学マス・フォア・インダストリ研究所
Year and Date
20140222-20140222
Invited
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