2011 Fiscal Year Annual Research Report
日本海東縁ひずみ集中帯の地殻構造の岩石学的イメージング
Project/Area Number |
23340153
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
石川 正弘 横浜国立大学, 環境情報研究院, 准教授 (70232270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 比呂志 東京大学, 地震研究所, 教授 (00183385)
伴 雅雄 山形大学, 理学部, 教授 (50208724)
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Keywords | ひずみ集中帯 / 地殻 / マントル / 弾性波速度 |
Research Abstract |
本研究は、地質学・地震学・岩石学・岩石物性分野研究者との共同研究の枠組みの中で、日本海東縁ひずみ集中帯の地殻構造の岩石学的イメージングを行い、岩石学的地殻構造が地殻変動や地震発生に及ぼす影響を解明しようとするものである。計画通り進展すれば、日本海東縁ひずみ集中帯に関して新たな知見を得ることが可能になり、ひずみ集中帯の地殻強度や地震発生場に関する理解の進展に大きく寄与すると期待される。 本年度は、以下の研究を実施した。 (1)新潟県羽越地域に産する地殻深部に由来する変成岩類の弾性波速度を岩石試料の構成鉱物体積比と鉱物化学組成から算出した。その結果、いろいろな速度を示すものの、現段階では下部地殻の地震波速度相当の岩石試料の存在を確認するまでには至っていないが、この先も日本海東縁ひずみ集中帯に産する地殻深部由来の各種岩石の弾性波速度を求めていく予定である。 (2)日本海東縁の捕獲岩については、鳥海山では高Mg安山岩が、月山では角閃岩質岩が産することが新たに判明した。これらについて岩石学的検討を今後進める予定である。また火山岩自体については、月山火山噴出物のうち地殻物質を起源とするものについて系統的に岩石学的分析を進めた。今後は得られたデータの解析を進め起源物質の特徴を明らかにする予定である。 (3)弾性波速度の計算と並行して、比較的大試料の捕獲岩に関しては直接高圧下で弾性波速度を測定するように弾性波速度実験技術の改良も進めている。各種設定のプログラム化に取り組んであり、自動化による測定効率の上昇を目指し、装置の改良に取り組んだ。 (4)岩石の弾性波速度測定と並行して斜長石の合成多結晶体の速度測定にも取り組んだ。 (5)日本海東縁ひずみ集中帯の地震波トモグラフィーを用いて岩石学的イメージングについて議論した
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
地質調査の実行、岩石学的研究の進展、高圧実験装置の改善など順調に進んでおり、また、代表者・分担者で頻繁に議論・意見交換を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
日本海東縁ひずみ集中帯において地質調査を実施し、採取した岩石試料の岩石学的研究および高圧実験を遂行する。 また、高圧実験装置の改善に引き続き取り組み、弾性波速度測定実験の効率上昇を目指す。引き続き、地殻構造の岩石学的イメージングについて検討する。
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Research Products
(10 results)