2014 Fiscal Year Annual Research Report
CT励起光不斉反応:波長選択による高立体選択性の実現と介在メカニズムの解明
Project/Area Number |
23350018
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森 直 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70311769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福原 学 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30505996)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 励起波長効果 / エキシプレックス / 励起CT錯体 / CT相互作用 / 温度効果 / エントロピー・エンタルピー / 蛍光スペクトル / 可視光利用 |
Outline of Annual Research Achievements |
基底状態相互作用の一つとして電荷移動(CT)相互作用がある。この相互作用は軌道の重なりによる安定化、それに伴う長波長領域での吸収が特徴的である。CT相互作用を分子認識や構造体の創生に利用した研究は多いが、その光反応とくに不斉反応に関する研究は限定的である。本研究提案では、キラルCT錯体を創生し、その不斉光反応を検討した。これら一連の系では、励起波長によりその立体選択性が大きく異なることが明らかとなった。本研究課題では、波長効果の一般性に対する実証実験を行い、あわせてメカニズムの詳細を解明した。実例として、2つの分子間反応系と1つの分子内反応系を提案し、すべての系でエキシプレックスとは異なる「励起CT錯体」の関与が検証できた。とくに、エントロピーの関与する部分における効果が錯体間で大きく異なり、励起CT錯体がエキシプレックスとは異なるタイトな錯体であることが明らかとなった。 これら一連の成果は、研究業績欄等に示すとおりの原著論文報告に代表される成果として報告しているところであるが、代表的な3つの系すべての結果が J. Am. Chem. Soc. 誌 (Impact Factor = 11.4) に掲載されたこと、Reviewerから “textbook example” と賞賛を受けたことなどからその達成度の高さがうかがわれるものである。 また、評価に関して補足すると、GRC Photochemistry、IUPAC Photochemistryをはじめとする、複数の国際学会での招待講演や依頼講演の機会を得たこと、一連の成果のまとめをChem. Soc. Rev. 誌 (Impact Factor = 24.9) に総説として発表する機会を得たこと(招待論文)などがあげられる。専門分野での貢献のほか、雑誌「化学」の解説記事の執筆、一般向けの解説書「光科学の世界(朝倉出版)」の上梓など、計画前段階の4年間で当初計画をはるかに凌ぐ研究成果をあげることができ、今後のさらなる展開が期待されるものである。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Remarks |
成果の詳細は、以下のHPリンク「最近の論文」などに記されています。 大学HP(分子相関化学領域) http://www.chem.eng.osaka-u.ac.jp/~inoken/
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[Journal Article] Manipulating γ-cyclodextrin-mediated photocyclodimerization of anthracenecarboxylate by wavelength, temperature, solvent and host.2014
Author(s)
Yang, C.; Wang, Q.; Yamauchi, M.; Yao, J.; Zhou, D.; Nishijima, M.; Fukuhara, G.; Mori, T.; Liu, Y.; Inoue, Y.
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Journal Title
Photochemical & Photobiological Sciences
Volume: 13
Pages: 190-198
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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