2012 Fiscal Year Annual Research Report
キラルブレンステッド酸触媒を用いた不斉合成反応の革新化
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23350046
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
秋山 隆彦 学習院大学, 理学部, 教授 (60202553)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 有機分子触媒 / リン酸 / 不斉還元 / 水素移動反応 / Mannich型反応 / 不斉合成 |
Research Abstract |
優れた不斉触媒反応の開発は,現在の有機合成化学に課された重要な課題の一つである。申請者は,(R)-ビナフトールより誘導したキラ ルリン酸がキラルブレンステッド酸触媒として優れた不斉触媒活性を示すことを見出した。 Mannich反応がβ-アミノカルボニル化合物を合成する重要な反応の1つである。我々は,既にリン酸触媒を用いた不斉Mannich型反応を報告しているが,芳香族アルデヒド由来のイミンに限られていた。本Mannich型反応において,脂肪族アルデヒド由来のイミンを用いる事ができれば,本反応の有用性が大きく広がる事が期待される。リン酸触媒を検討したところ,脂肪族アルデヒド由来のイミンを用いても対応するβ-アミノカルボニル化合物が高収率かつ高い光学純度で得られることを見出した。 また,ベンゾチアゾリンを水素供与体として用いた不斉合成反応に関しても,Hantzschエステルと比較してより高い光学純度で還元体が得られる事を見出している。また,ベンゾチアゾリンに代えて,インドリンを用いる事によりイミンの還元反応が進行し対応するアミンが光学純度良く得られる事が明らかとなった。更に,インドリンの還元反応において,速度論的光学分割が進行する事を見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
リン酸触媒を用いた不斉合成反応の開発研究は,触媒の検討に時間を要するものの比較的順調に進展している。Mannich反応については,絶対立体配置,相対立体配置等の決定に時間を要している。X線構造解析等を用いる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
脂肪族アルデヒド由来のイミンに対するMannich型反応の開発は,有用な生理活性物質の合成につながる可能性がり,基質適用範囲の検討,更に生理活性物質の合成等,強力に推進する。また,ベンゾチアゾリン,インドリン糖を用いた不斉還元反応についても,更に優れた水素供与体の開発を目指した検討を行い,優れた不斉還元反応の開発へと発展させる。
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