2013 Fiscal Year Annual Research Report
二酸化炭素の資源化を指向する触媒的固定化反応の開発
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23350047
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山田 徹 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40296752)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 合成化学 / 触媒・化学プロセス / 二酸化炭素 / 廃棄物再資源化 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに銀触媒は効果的に炭素-炭素三重結合を活性化し,分子内でカーボナートアニオンの求核付加を受け対応する環状炭酸エステルを与えることを報告した。今年度は特に,二酸化炭素分子に対する新たな炭素-炭素結合生成反応を伴う合成反応の開発に取り組んだ。すなわち,分子内の適切な位置に,α位水素を有するケトンとアセチレンを合わせ持つ化合物に対し,適切な塩基と銀触媒の共存下,二酸化炭素との反応を行うと,ケトンから生成するエノラートが二酸化炭素に対し求核付加,中間体のカーボネートは銀触媒で活性化されたアセチレンでトラップされ,安定な5員環ラクトンが得られる。また,反応系によってはエノラートにより二酸化炭素がトラップされて生成するβ-ケトカルボン酸中間体から,カーボナート酸素ではなくβ-ケトカルボニル酸素が直接アセチレンと反応してフラン骨格が生成することを見いだした。いずれの反応も,生成物中のエキソオレフィンの幾何異性は完全にZ選択的であり,炭素-炭素三重結合が銀触媒により効果的に活性化されたことを示している。また,昨年度の検討でo-アルキニルアニリン誘導体に対して同様の反応条件で二酸化炭素を反応させると,対応するベンゾキサジン-2-オン誘導体が得られることを報告したが,この反応系で塩基としてDBUを用いた場合に,異なる生成物が得られる。X線結晶構造解析など詳細な検討の結果,4-ヒドロキシキノリン-2(1H)-オン誘導体が得られたことを確認した。この化合物は,一次生成物のベンゾキサジン-2-オン誘導体に対しDBUが塩基として作用し,分子内でイソシアナートとエノラートに一旦解離,分子内転位の結果,二酸化炭素由来のカルボニル炭素に対する新たな炭素-炭素結合の生成を伴って得られたものと推定した。この反応機構は,時間分解赤外吸収スペクトルの測定により,中間体のイソシアナートを観測したことから確定した。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(12 results)