2011 Fiscal Year Annual Research Report
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23350081
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
堀 弘幸 愛媛大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (20256960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 勉 東京大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20292782)
平田 章 愛媛大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (60527381)
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Keywords | RNA / タンパク質 / ゲノム / 酵素 / 構造解析 |
Research Abstract |
本研究は、生命の三つのドメインで、もっとも起源に近い生物群の持つRNA成熟システムを比較し、その基本原理を探ることを目標としております。 本申請は、3年間の短期計画であり、平成23年度は初年度でありました。下記項目を重点目標に掲げ、以下の成果を得ました。 (1)S-adenosyl-L-methionine依存性RNAメチル化酵素の反応機構解析 TrmlのX線結晶構造解析に成功し、その反応機構を推定し、論文として発表しました。また、TrmHのRNA認識機構について解析を終了し、論文を執筆中です。 (2)葉酸依存性RNA修飾酵素の精密生化学分析と反応機構の解明 葉酸依存性RNAメチル化酵素の新規酵素活性測定法を開発し、精密生化学解析への道を切り開きました。現在、RNA認識機構に関する論文を執筆中であります。 (3)局所認識型RNA修飾酵素と全体構造認識型RNA修飾酵素の構造比較 局所認識型RNA修飾酵素(Trml,TrmI1,TrmFO)の解析を終えました。全体構造認識型RNA修飾酵素(Trml1/112複合体)について、現在、解析を進めております。 (4)RNAスプライシングエンドヌクレアーゼの構造と基質認識問題 A.perniy由来α2β2型スプライシングエンドヌクレアーゼのX線結晶構造解析に成功し、論文として発表するに至りました。 (5)RNAリガーゼの構造と生理機能 スプライシング時に機能するRNAリガーゼについて、現在、遺伝子破壊株の解析を進めております。 (6)RNA修飾ネットワークの解析 主要な酵素については、すでに報告ずみです。現在、細部を詰めています。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
極めてインパクトの高い国際学術誌に複数の論文を掲載するに至っており、国内外の学会で多くの研究成果を発表できている。ただし、タンパク質-RNA複合体の結晶化などにおいては、良質な結晶化が得られていないものもあり、「(2)おおむね順調に進展している。」と自己評価いたします。
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Strategy for Future Research Activity |
研究が、ほぼ順調に推移していることもあり、平成23年度計画を継続する方向です。 現在、国内外の複数の研究機関から共同研究のオファーがあります。本研究の範囲に含めてもよい課題もありますので、慎重に対応したいと考えております。
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