2012 Fiscal Year Annual Research Report
ナノビルディングユニットの精密合成とその自己集合による各種次元組織体の構築
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23350098
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大久保 達也 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40203731)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ナノ材料 / 自己組織化 / 表面・界面物性 / 複合材料・物性 / ナノ粒子 |
Research Abstract |
本研究では、我々が独自に開発してきた単分散球状シリカナノ粒子や、本研究で開発する様々なナノ粒子系をナノビルディングユニット (NBU) に用い、これらを一次元から三次元までの様々な次元において自在に集積するボトムアッププロセスを開発する。これにより、従来の技術では成し得なかった新規機能の創出を目指す。この目的に向けて、以下の三項目に重点的に取り組む。 1) NBUの合成法の開発:サイズ、組成、形状、内部構造の多様化。2) NBUの各種次元配列制御:NBUと有機機能分子あるいは生体分子などの物質系との協奏的相互作用を利用して、配列構造や次元を制御。3) NBUからの階層的コロイド結晶の創製:多成分のNBUからナノ空間・マイクロ空間を有する階層構造を創出することで、新規のシステム・デバイスを創出。 本年度は、上記の各項目に関して以下の成果を得た。 1) メソポーラスシリカナノ粒子、中空シリカナノ粒子、および中空有機シリカナノ粒子の新規合成法を開発した。いずれのNBUも従来法にくらべて簡便な手法で得られ、コロイド分散性にすぐれる。 特に、中空有機シリカナノ粒子は、粒子形状の均一性がきわめて高い。2) シリカナノ粒子が両親媒性のブロックコポリマーの存在下、一次元の数珠状構造へと自己集合する現象の機構解明を試み、ポリマーの立体障害が一次元自己集合に関与していることを示唆する結果を得た。また、本配列法が酸化チタンや酸化スズナノ粒子にも適用可能であることを示した。3) 酸化スズナノ粒子の一次元集合体を集積させ、網目状の組織構造を得る手法を開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
NBUの合成法の開発に関し、メソポーラスシリカナノ粒子、中空シリカナノ粒子、および中空有機シリカナノ粒子の新規合成法を開拓し、それぞれの成果を論文にて発表した。中空有機シリカナノ粒子の製造方法に関しては特許出願中である。 NBUの各種次元配列制御では、シリカナノ粒子の一次元配列の機構解明、および各種機能性ナノ粒子の一次元配列への展開を行い、それぞれ論文発表を行った。NBUが液相中で三次元の中空ベシクル状へ自己集合する現象も予備的に見出しており、これについて特許を出願済みである。 NBUからの階層的コロイド結晶の創製に関連して、酸化スズナノ粒子の一次元集合体を集積させて網目状の組織構造を得る手法について学会発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
1) NBUの合成法の開発に関して、コア-シェル型粒子や、異方的な形状を持つ粒子等の作製に取り組む。 2) NBUの次元制御配列に関して、シリカナノ粒子が両親媒性ブロックコポリマーの存在下、液相中で二次元のリング状、あるいは三次元のベシクル状へと組織化することを予備的に見出している。本年度は、この現象に関与する因子を明らかにするために、自己集合条件を系統的に変化させて実験を行うとともに、ポリマーのシリカナノ粒子への吸着状態や、粒子の荷電状態に関する解析を行う。 3) NBUからの階層的コロイド結晶の創製に関しては、導電性酸化物ナノ粒子の一次元鎖をさらにネットワーク化させた素材を、電極材料として利用することを検討する。
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