2011 Fiscal Year Annual Research Report
機械的加工と自己組織化を併用した規則配列ナノドットアレイの効率的製造法
Project/Area Number |
23360065
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉野 雅彦 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40201032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 隆 東京電機大学, 工学部, 教授 (20199855)
梅原 徳次 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (70203586)
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Keywords | ナノ・マイクロ加工 / ナノドット / 自己組織化 / 塑性加工 / ナノデバイス / 局在表面プラズモン共鳴 / インプリンティング / 薄膜 |
Research Abstract |
本研究は、数10nmレベルのナノドットを規則的に配列したアレイ構造を製造するための低コストで効率的なプロセスを開発することを目的としている。本プロセスは、設備コストの掛かるEBリゾグラフィ法を用いず、基板への金属膜のコーティング、ナノインプリントによるパターニング、焼鈍による自己組織化という簡便な機械的加工技術によることを特徴としている。本年度はまず、ナノインプリントに用いるマスターモールドを作成するため、位置決め分解能1nmの超精密ステージ、空気ばね式除振台を用いた超微細塑性加工装置を開発した。さらに超微細塑性加工に使う微細ダイヤモンド工具を開発し、数10nm~数100nm間隔の微細格子溝列を有するマスターモールドの作成に成功した。次に、新たに購入したRFスパッター装置を用いてマスターモールドにTiN+Ni薄膜をコーティングし、それを剥離することにより薄膜モールドを開発した。さらにこの薄膜モールドを用い、石英基板にコーティングした金薄膜に格子溝パターンをナノインプリントし、焼鈍を施すことにより800nmピッチで規則配列したナノドットアレイを作成することに成功した。一方、ナノドットアレイに光を照射したときに生じる局在表面プラズモン共鳴による光学特性を検討し、規則配列したナノドットアレイでは非常に明瞭な吸収スペクトルが得られることを明らかにした。またナノドットに吸着した分子の影響により吸収スペクトルが変化することを示した。これによりタンパク質などの検出を行うバイオセンサーへ応用できることを示した。さらにナノドットアレイを積層化し3次元ナノドットアレイを製造することに成功した。 これらの実験的検討に合わせて、焼鈍に依るナノドットアレイの凝集過程および局在表面プラズモン共鳴現象を理論的に検討するため、数値シミュレーションを開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
計画ではH23年度は超微細塑性加工装置の開発、および微細加工と焼鈍によるナノドットアレイ製造法の検討、自己組織化機構の検討を目標としてたが、既にこれらの検討は完了し、H24年度以降に計画していたナノインプリント法による効率的ナノドットアレイの製造法の検討およびナノドットアレイの機能評価を行うことが出来たため。
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Strategy for Future Research Activity |
計画を前倒しで進めているが、ナノドットの品質やモールドの精度などの点で問題が有り、これらを解決することが次年度以降の主たる課題となる。またナノドットアレイの光学的特性を利用したバイオデバイスの基本原理は確認できたが、これを実際的なセンサーデバイスとして利用できることを実証していく。
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