2012 Fiscal Year Annual Research Report
機械的加工と自己組織化を併用した規則配列ナノドットアレイの効率的製造法
Project/Area Number |
23360065
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉野 雅彦 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (40201032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 隆 東京電機大学, 工学部, 教授 (20199855)
梅原 徳次 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70203586)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | マイクロ・ナノデバイス / 機械工作・生産工学 / マイクロアレイ / 精密部品加工 / ナノ材料 / 自己組織化 / ナノインプリント / 薄膜モールド |
Research Abstract |
(1)ナノインプリント用大面積マスターモールドの開発:マスターモールドを効率的に製造するため、新たに除振台を購入し、そこに前年度開発した超微細引掻き加工装置を設置した。マースターモールド基板材として焼入鋼、Ni-Pめっきした焼入鋼、石英ガラス板を用いた。本装置を用い加工領域20mm×20mmに微細溝を作成することに成功し、大面積基板作成が可能であることを示した。しかし溝幅が約1μmレベルであり、それより微細な溝の加工は困難であった。またダイヤモンド工具の摩耗が問題になることが判った。 (2)ナノインプリント用薄膜モールドの開発:石英基板に作成したマスターモールドの型を転写して薄膜モールドを作成する方法を検討した。マスターモールドを繰り返し使えるようにするため、マスターモールドよりPMMA樹脂、さらにUV硬化樹脂に転写し、そこにNiスパッターコーティングおよび電解めっきを施すプロセスを検討した。Niスパッターコーティング膜の生成までは成功したが、そこにNiめっきを施す時点でNi層が型から剥離してしまい、薄膜モールドが上手く作成できない問題が生じた。次年度この問題の解決を目指す。 (3)規則的ナノドットアレイを用いたバイオセンサーデバイスの開発:ナノドットアレイに生じる局在表面プラズモン共鳴を利用し、タンパク質分析用センサーの開発を試みた。ナノドットアレイにタンパク質を付着させ、その吸収スペクトルの変化を調べた。次年度も高感度なセンサーの開発を目指し、検討を継続する。 (4)ナノドットアレイの自己組織化機構の検討:ナノドットアレイが自己組織化する機構を理論的に検討した。また多層のナノドットアレイの作成に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全体的にほぼ予定通り進んでいる。 (1)引掻き加工試験機を開発し、20mm×20mmという大きな領域に微細格子溝を加工することに成功した。これによりナノインプリント用マスターモールドの作成の目処が立った。 (2)マスターモールドから薄膜モールドを作成するために、マスターモールドの損傷を防ぐためにプラスチック膜に形状を転写し、そこにNi膜をコーティングする方法を開発した。まだ実用的な薄膜モールドの作成には成功していないが、遠からず成功すると思われる。それをナノインプリントに用いることにより大面積領域にナノドットアレイを作成することが可能になると期待される。 (3)ナノドットアレイの自己組織化機構を解明し、作成条件を最適化するための知見が得られた。これにより高感度なバイオセンサーの開発が可能になると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に変更は無いが幾つかの課題が生じており、下記の対策を講じる予定である。 (1)マスターモールドの作成において引掻き加工装置を用いたが、溝の最小加工寸法が目標の250nmに達しなかった。そこでH25年度は当装置を超精密切削加工装置に改造し、目標の寸法の微細加工の実現を目指す。(2)マスターモールドから薄膜モールドを作成する過程においてめっき中にNi層の剥離が生じてしまうという問題が発生した。Niコーティング法を改良し、この問題を解決し、薄膜モールドの開発を目指す。(3)薄膜モールドが完成したらこれを用いナノインプリントによる大面積ナノドットアレイの作成を実証する。(4)バイオセンサーのためにナノドットアレイの形態の最適化を行い、バイオセンサーの開発を行う。
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