2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23360069
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
竹内 芳美 中部大学, 工学部, 教授 (50107546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 徹 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (20313421)
中本 圭一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 招聘准教授 (90379339)
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Keywords | 巧妙加工 / CAM / 旋削加工 / フライス加工 / 複雑形状 / 複合加工機 / 超精密マイクロ加工 |
Research Abstract |
世の中にはどうやって作られたのか予想もつかないような超複雑な形をもつ芸術品や工芸品、あるいは職人芸というような工業品が存在する。そこには工具の工夫、把持・固定法の工夫、脆い・柔らかいなど難加工材料に対する加工法、干渉回避をした巧みな工具経路生成など創成をする上での経験と熟練が隠されている。そのような経験と技能が支配する形状創成を、技術として定着し、工業品でありながら技能者による加工と同様なレベルの加工(これを巧妙加工:Dexterous Machiningと名付ける)を、自動加工機である制御複合加工機で実現するためのシステム開発するものである。 具体的には、第1段階として、1主軸で旋削加工とフライス加工をできるシステムを、第2段階では5軸制御化と2主軸による把持方向取換え作業のできるシステムを、第3段階では、工具形状と保持具を工夫していっそうの難加工形状の創成を目指し、第4段階ではさらに超精密マイクロ加工にも分野を拡大し、職人技と同等以上の超複雑形状自動加工システムの開発を目指している。 今年度は、第1段階の研究の中で、曲り円柱からなる複雑形状の削り出しを、第2段階の一部として立方体の中に球をもつ入れ子形状の創成と鎖形状の加工を実現することができた。これらは棒状の素材から仕上げまでを切削加工によって得られたものである。また、第3段階の把持法の工夫に対しては非常に柔らかい素材の把持・固定法の研究に着手し、第4段階での難加工形状の超精密マイクロ加工も試みたが、本格的な研究は次年度になる。 以上のような付加価値の高い製品を工学的に創成する技術を研究開発することはこれから我が国のものづくりの方向として非常に重要になると確信している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
交付申請書の研究計画にそって研究を進め、計画を上回る成果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
旋削加工とフライス加工の機能を併用する複合加工機を活用して巧妙加工を進め、この概念のもとに付加価値の高いものづくりを広めていこうと考えている。次年度からは複合加工機をより使い易く、複雑な形状を容易に得られるようなCAMシステム、複合加工機で中仕上げ加工までを効率的に実施できるCAMシステムの両者の開発を進めると同時に、次年度は、本年度に着手した第3段階の非常に柔らかい素材の把持・固定法の研究を深化させる。また、第4段階での難加工形状の超精密マイクロ加工にも幅を広げ、研究を続行する予定である。
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Research Products
(4 results)