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2012 Fiscal Year Annual Research Report

高付加価値を創出する巧妙加工の研究

Research Project

Project/Area Number 23360069
Research InstitutionChubu University

Principal Investigator

竹内 芳美  中部大学, 工学部, 教授 (50107546)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 中本 圭一  東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90379339)
Project Period (FY) 2011-04-01 – 2014-03-31
Keywords巧妙加工 / 複雑形状 / 難把持形状 / 複合加工機 / CAM
Research Abstract

世間にはどうやって作られたのか予想もつかないような超複雑な形をもつ芸術品や工芸品、職人芸というような工業品が存在する。そこには工具の工夫、把持・固定法の工夫、脆い・柔らかいなど難加工材料に対する加工法、干渉回避を巧みに行った工具経路生成、など加工物を創成する上での経験と熟練が隠されている。
そのような経験と技能が支配する形状創成の技を技術として定着し、工業品でありながら技能者によるものと同様なレベルの加工(これを巧妙加工:Dexterous Machiningと名付ける)を、自動加工機である5軸制御複合加工機で実現するためのシステム開発をするものである。これによって既成の生産概念とは異なった新たな概念である巧妙加工を提唱し、ものづくりの分野に貢献することを目的とする。
上記の研究目的に沿って3年間に渡る研究計画では、第1段階として、1主軸で旋削加工とフライス加工のできるシステムに、第2段階では3軸制御加工を5軸制御化するとともに2主軸による把持方向取換え作業のできるシステムにして拡張を図り、第3段階では工具形状と保持具を工夫し、職人技と同等以上の超複雑形状自動加工システム開発を目指す、と計画した。
初年度(H23年)は、1主軸で旋削加工とフライス加工をできるシステムを研究し、その例として曲り円柱からなる複雑形状の削り出しを可能にした。また、第2段階にも展開でき、立方体の中に球をもつ入れ子形状の創成と鎖形状の加工法を開発することができた。
2年度(H24年)は、形状の複雑性に加え、ウレタンゴムなど柔らかくて把持することの難しい難加工材料に対する加工法を追究し、一通りの成果を得ることができた。加えて、工具形状と保持具を工夫した超精密マイクロ加工での巧妙加工を行い、複雑形状の加工を可能にした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

3年間の研究計画で、初年度(H23年)は、複合加工機を利用して1主軸で旋削加工とフライス加工のできるシステムを構築し、システムの基礎を確立することを目指した。その成果として、曲り円柱からなる複雑形状の削り出しを可能にした。思ったより研究が進み、翌年度の予定の研究にも着手できた。5軸制御化と2主軸による把持方向取換え作業ができるようにシステムの拡張を行うこともでき、立方体の中に球をもつ入れ子形状の創成と鎖形状の加工法を開発することができた。このように達成度は計画以上のものがあった。
2年度(H24年)では3軸制御加工を5軸制御化することと、2主軸による把持方向取換え作業のできるシステムにして拡張を図ることを計画した。部分的ではあるが、これらはともに完成できた。加えて、超精密マイクロ加工での巧妙加工を試みた。その例として、通常では非常に加工の困難なメビウス輪の創成を手掛けた。超硬マイクロボールエンドミル工具の側面切れ刃とボール部切れ刃を巧みに使い分け、時間短縮を図りながら形状創成を行うことが可能になった。さらに、形状の複雑性に加え、ウレタンゴムなど柔らかくて把持することの難しい難加工材料に対する加工法を追究し、一通りの成果を得ることができた。これらは最終年度(H25年)に研究をする予定であったが、前倒しで始めることができ、達成度は非常に高かったと考えている。

Strategy for Future Research Activity

最終年度は、工具形状と保持具を工夫することにより、職人技と同等以上の超複雑形状自動加工システム開発を目指し、付加価値の高い製品を創成できる基盤研究をすることを予定している。これに沿った今年度の研究計画は以下のようである。
職人技と同等で、しかも工業的に作り出したいという思いを可能にする例として、まず普通では保持ができないような柔軟材の加工に取り組む。その材料としてスポンジを取り上げ、3軸制御加工を実施する。上手くいけばこれを5軸制御加工にまで拡張し、更なる巧妙化を目指す。
併せて、巧妙加工の理論付けを試み、これによって我が国のものづくりの新たな方向性を提案したいと考えている。

  • Research Products

    (6 results)

All 2013 2012

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results) Presentation (2 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 複合加工機用CAPPシステムの開発2012

    • Author(s)
      濱田大地
    • Journal Title

      日本機械学会論文集(C編)

      Volume: 78、791 Pages: 2698-2709

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] マイクロ複雑形状の超精密巧妙加工2012

    • Author(s)
      西山 諒
    • Journal Title

      日本機械学会論文集(C編)

      Volume: 78、792 Pages: 3085-3092

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] スクエアエンドミルを用いた同時5軸制御加工による中仕上げ加工の高効率化2012

    • Author(s)
      夏目矩行
    • Journal Title

      日本機械学会論文集(C編)

      Volume: 78、793 Pages: 3305-3316

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 柔軟工作物の巧妙加工に関する研究2012

    • Author(s)
      中本圭一
    • Organizer
      日本機械学会第9回生産加工・工作機械部門講演会
    • Place of Presentation
      秋田県立大学
    • Year and Date
      20121027-20121028
  • [Presentation] Development of 5-axis Control CAM System for Multi-tasking Machine Tools2012

    • Author(s)
      Keiichi Nakamoto
    • Organizer
      Proc. of 45st CIRP Conf. on Manufacturing Systems (CIRP-CMS2012)
    • Place of Presentation
      Athens, Greece
    • Year and Date
      20120516-20120518
  • [Book] 多軸・複合加工用CAM2013

    • Author(s)
      竹内芳美
    • Total Pages
      320ページ
    • Publisher
      日刊工業新聞社

URL: 

Published: 2014-07-24  

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