2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23360127
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Field |
Power engineering/Power conversion/Electric machinery
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
金澤 誠司 大分大学, 工学部, 准教授 (70224574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市來 龍大 大分大学, 工学部, 助教 (00454439)
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Keywords | プラズマ / 有害化学物質 / 放電 / 環境改善機器 / OHラジカル / 活性酸素 |
Research Abstract |
活性酸素のなかでも最も酸化力の高いヒドロキシルラジカル(OH)を効果的に発生させて利用できるヒドロキシルラジカル発生器(通称:「OHラジカル発生器」)を開発し,その発生量を評価し、さらにそれを応用することによりこれまでにない促進酸化処理を可能にする装置を提案することを目的に研究を開始した。 本年度は、放電プラズマによるOHラジカル発生器の試作、放電特性とラジカル発生量の計測および難分解性物質の処理への応用について研究を実施した。 1.第1号試作機の開発(装置開発) 大気圧放電プラズマを利用した「OHラジカル発生器」開発として、水中放電、水面上放電および低周波プラズマジェットを発生させるための装置を作製した。いずれの放電方式においても安定に作動できることを確認した。ただし、電源部と放電部は独立しており、発生器と呼ぶには、大きさ、設置場所の制約などの点で改良の必要がある。 2.OHラジカルの計測と高効率発生のための放電特性の解明(基礎特性) OHラジカルの測定方法としてテレフタル酸を利用した蛍光分析法CP&LEDIF (Chemical probe & LED-induced fluorescence)を確立し、その有用性を確認した。LED光源と分光器とを組み合せることで簡便に測定できるシステムになっている。装置をブラックボックス化させないことによりラジカルの発生をリアルタイムで観測できる点に特徴があることを示した。 3.OHラジカル発生器の有効性の検証(応用研究) 水面上放電を用いた装置により、難分解性物質の処理に関する実験を行った。合成洗剤などに含まれる界面活性剤を含む水の処理を実施し、OHラジカルが有効に作用することを明らかにした。オゾン単独では分解できなかったが、放電では分解できること、さらに放電場にオゾンを導入して重畳させると促進酸化による効果が顕著に現れることがわかった。すなわち従来あるオゾン発生器との差別化に見通しを得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の目標であった試作器を作製し、OHラジカルの発生量の測定を実施した。さらに、難分解性物質の処理を行い、分解にはOHラジカルが必須であることを明らかにした。試作器は大きさや設置揚所などの点で今後改良が必要であるが、本研究の3本柱である、装置開発、ラジカル計測、水処理への応用について取り組み、一定の成果をあげることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
OHラジカル発生器の問題点を洗出し、試作2号機以降の開発をすすめる。2号機では電源のコンパクト化と電極を含む装置の一体化に取り組む。試作機を用いてOHラジカルを使用することの優位性をOHラジカルの可視化と処理反応の実例により示して研究を展開する。
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