2012 Fiscal Year Annual Research Report
20世紀の建築家と建築作品に関する生成論的研究――存在論的建築論の構築
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23360274
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
前田 忠直 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 名誉教授 (20111940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富永 譲 法政大学, デザイン工学部, 教授 (00011205)
末包 伸吾 関西大学, 工学部, 教授 (10273757)
水上 優 福山大学, 工学部, 教授 (30441546)
朽木 順綱 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (50422994)
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Project Period (FY) |
2011-11-18 – 2014-03-31
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Keywords | 存在論的建築論 / 建築論 / 建築家論 / 作品論 / 生成論 / 空間論 / 場所論 |
Research Abstract |
本年度は平成23年度に得られた諸資料の分析を重点的に推し進め,研究目的として提示された,課題I(20世紀の建築家の思索の生成論的研究)および,II(建築作品の生成論的研究)における4つの細目課題について研究者ごとに知見を取りまとめ,研究論文や報告会にて成果発表を行うとともに,研究者間で積極的に意見交換を行い,作業分担を再構築した。また,研究の予備的総括に着手した。 I.20世紀の建築家の思索(方法概念)の生成論的研究:1)ステートメント,講義・講演録,著作による分析。建築家(カーン,ル・コルビュジエ,ミース,アアルト,ライト,ファン・アイク,ノイトラ,シンドラー,イームズ,増田,吉田ら)のステートメントの解読が進められた。とりわけ,ファン・アイクについては1編の査読論文にまとめられ,掲載が決定した。2)建築家のスケッチ,紀行文による分析。23年度に引き続き,各種文献などに収録されるスケッチ,紀行文の分析を通し,古代建築,近代都市,未開社会における建築家の空間把握の解明を試みた。 II.建築作品の生成論的研究:3)建築作品の生成過程の実証的研究。23年度に整理・分類された建築家の建築作品について,ダイアグラム作成,模型作成,フォーム分析,ルーム分析等を通して,それらの形成過程が検証された。とりわけ,シンドラーと広瀬鎌二の作品については査読論文にまとめられ,掲載が決定した。4)アーカイヴ訪問,現地調査(建築作品調査及びサイト調査)による実証的検証。23年度に引き続き,建築家のアーカイヴ(財団)訪問による資料収集・閲覧を実施するとともに主要作品の現地調査研究(写真撮影,スケッチ)を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画における2年目となる本年度は,前年度に分類・整理された基礎的資料に基づき,もっぱら役割分担に即した作業が各研究者によって進められた。次年度における総括を見据えて各研究が進められていると認められる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる3年目においては,これまでに得られた各研究者に依る個別研究を横断するような,本研究全体の総括的研究へと展開させる計画である。
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Research Products
(12 results)