2011 Fiscal Year Annual Research Report
エアロゾルプロセスによるシリコン量子ドット材料創製
Project/Area Number |
23360338
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
瀬戸 章文 金沢大学, 自然システム学系, 准教授 (40344155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 吉生 金沢大学, 自然システム学系, 教授 (10152175)
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Keywords | 薄膜・微粒子形成 / エアロゾル / 量子ドット / 太陽電池 / ナノ粒子 / レーザー / コアシェル / ナノ構造 |
Research Abstract |
本研究では、エアロゾルプロセスによる量子ドット材料の創製を目的として、1)Si量子ドットのエアロゾル合成、2)表面修飾によるコアシェル構造の作製、3)量子ドットナノ構造と光エネルギー変換効率との相関の解明を行っている。初年度である今年度は、サイズ、組成、粒径分布、形状、結晶性が制御された直径が2~10nmの単分散Siナノ粒子合成法を開発するために、管型電気炉内での種々の固体ターゲットのレーザー照射により非平衡プラズマ場を形成し、核生成過程を経由してナノ粒子を生成し、その生成過程を解析した。特に、均一粒子の生成が見込まれる200~1000Pa程度で生成場の圧力を精密に制御し、さらにレーザー照射場の温度を常温~1000℃まで変化させたところ、管内での膜状のナノ構造体の析出が確認された。また生成したナノ粒子のサイズ分布を低圧動作型のモビリティーアナライザによってオンライン計測し、Siナノ粒子が得られる条件を実験的に決定した。さらに、粒子生成場の速度・温度分布ならびに核生成による粒子の生成・成長過程を汎用数値流体シミュレーションによって解析した。 また、ナノ粒子の表面修飾に関して本年度は、ターゲット材料にSiの他に炭素を用い、コアシェル構造の形成を試みた。生成したナノ粒子へのレーザーの再照射を行うことで、アモルファスからグラファイト状のシェル構造が形成されることを明らかにした。今後は本年度得られた知見を利用して、Siナノ粒子上へのグラファイトのヘテロ成長機構を解析し、さらに得られたコアシェル粒子の物性を評価していく予定である。また、本年度に光エネルギー変換効率評価装置を導入し、得られたSiナノ粒子構造体の光エネルギー変換特性の評価を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シリコンナノ粒子の生成に関しては当初の計画通り進展している。またシェル構造を形成する材料の候補として、炭素のレーザー照射によるグラファイトの生成など新たな知見も得られており、研究は概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は複合構造を持ったコアシェル粒子の生成とその堆積によるナノ粒子薄膜の形成、素子化を重点的に行う予定である。得られた粒子の物性は、本学で所有する分析装置で解析するとともに連携研究者などの協力も受け、ナノ粒子のサイズ、構造とその光特性の相関に関する新たな知見を得ることを目指していく予定である。
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