2012 Fiscal Year Annual Research Report
マクロ分子イオンを用いたナノ粒子フィルタ捕集性能試験法の開発
Project/Area Number |
23360339
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
大谷 吉生 金沢大学, 自然システム学系, 教授 (10152175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬戸 章文 金沢大学, 自然システム学系, 准教授 (40344155)
吉川 文恵 富山高等専門学校, 機械システム工学科, 准教授 (40397188)
古内 正美 金沢大学, 環境デザイン学系, 教授 (70165463)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ナノ粒子 / エアフィルタ / 集塵 |
Research Abstract |
ナノ粒子の工業的利用が推進される中で,ナノ粒子の製造現場で働く作業者へのナノ粒子の暴露が問題となっている。作業現場におけるマスクの着用は,最も有効かつ最終的な暴露防止手段であるが,マスクに使用されるエアフィルタのナノ粒子に対する捕集性能の評価法が確立されていないため,ナノ粒子に対するマスクの捕集効率に対して不安があることは否めない。そこで本研究では,エレクトロスプレー法によって発生させた大きさおよび物性の揃った気中マクロ分子をテスト用ナノ粒子として用いることにより,ナノ粒子のフィルタ捕集効率測定法を確立することを目的とする。 これまで分子量の大きなPEGイオンの静電スプレーによる発生法を確立したので,今後はこのマクロ分子イオンを用いて,フィルタの捕集効率を測定するとともに,銀粒子,他のマクロ分子との捕集効率の比較を実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分子量の大きなPEGイオンの発生法を確立できた。さらにその分級法も確立できたので,フィルタ試験を実施するために必要な試験粒子の発生は現時点で可能である。ただ,3nm以下の粒子の計測法については今後の検討が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
ろ材としてワイヤスクリーン(金網)を選択し,ワイヤ表面の状態など厳密に制御し,金網の材質を変化させたり,温度,圧力などの透過率への影響を測定することによって,マクロ分子,ナノ粒子の壁面との相互作用(付着現象)が明する。さらに,粒子の壁面との相互作用について,捕集体である壁面の材質だけでなく,マクロ分子の構造,表面と粒子の親和性,温度など様々な要因によって変化すると考えられるため,ナノ粒子の材質を変えてフィルタ性能を測定する。さらに,荷電粒子・イオン特有の問題であるチャージアップ(フィルタへの電荷の蓄積)についても,エアロゾルエレクトロメータを用いて,検討を行う。 前年度までの成果,および上記の成果を総合して,マクロ分子イオンをフィルタ性能試験用ナノ粒子として用いる妥当性を判断する。
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Research Products
(4 results)