2012 Fiscal Year Annual Research Report
固固反応の促進による低品位鉱石の高速還元と低品位炭からの高効率エネルギー生産
Project/Area Number |
23360348
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三浦 孝一 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40111942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蘆田 隆一 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80402965)
LI Xian 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00593972)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 固固反応 / 低品位鉱石 / 低品位炭 / 還元反応 / ガス化反応 |
Research Abstract |
本研究は、我が国のエネルギー消費量の大きな部分を占める製鉄業高炉プロセスの高効率化を目指し、同プロセスで起こる反応のうち極めて速度の遅い、鉄鉱石を炭材で直接還元する固固反応を、工業的に実現可能な方法で促進することを目的としている。固固反応を促進するためには固体-固体間の反応界面積を増大させる必要があり、その方法として、加熱すると分解により結晶水が脱離しナノサイズの細孔が形成される低品位鉄鉱石に多く含まれるFeO(OH)の性質を利用し、鉄鉱石に形成された細孔に低品位炭やバイオマス由来の熱可塑性炭材を多量に挿入する方法を提案した。昨年度は、炭材と鉄鉱石の固体-固体間の反応界面積を増大させるための前処理に当たる、低品位鉄鉱石の脱水反応に伴うナノ細孔形成挙動の検討、穏和な溶剤処理を用いた改質により低品位炭やバイオマスから原料炭材を製造する過程における諸条件の影響の検討を進めた。本年度は、その結果を受け、炭材が細孔に挿入された鉄鉱石の還元、ガス化実験を実施し、その反応挙動を調べるとともに、反応速度解析を実施した。炭材として、穏和な溶剤処理で低品位炭やバイオマスから得た熱可塑性炭材、原油の減圧蒸留残渣、低品位炭、バイオマスなどを用いて、低品位鉄鉱石の還元実験を行ったところ、低品位炭、バイオマス由来の改質(抽出)物や、減圧蒸留残渣などの熱可塑性炭材を用いた時に、低品位鉄鉱石に発達した細孔への炭材の挿入が確認され、より低温において低品位鉄鉱石を還元できることがわかった。特に、低品位炭、バイオマス由来の改質物では、800℃以下という低温において還元が完了した。還元反応に寄与する機構を反応速度論的に解明するために、まずは反応界面積が既知のサブミクロン酸化鉄粒子を用いて間接還元反応、直接還元反応、触媒ガス化反応の速度を測定し、これまで困難とされていた直接還元反応の速度を求めることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の前処理工程の検討結果を受けて2年目の今年度、主に鉄鉱石還元工程に関する検討を進める計画であったが、還元工程の重要な基礎的検討をおおむね計画通りに進めることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
1、2年目はおおむね計画通りに進めることができたため、引き続き当初の計画通り、提案プロセスの実プロセスへの適用を見据えた検討を進める予定である。
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