2013 Fiscal Year Annual Research Report
表面科学的手法による金属触媒と炭素担体間の相互作用の解明
Project/Area Number |
23360352
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中村 潤児 筑波大学, 数理物質系, 教授 (40227905)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 剛弘 筑波大学, 数理物質系, 講師 (70373305)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 白金 / ナノクラスター / 触媒 / 燃料電池 / 表面科学 / グラフェン / ナノカーボン / 水素 |
Research Abstract |
平成25年度に、Ptの担持量によって、 Pt粒子径の制御ができた。10wt%Pt/GNS触媒では、平均サイズが0.87 nmである。これはサブナノクラスターの生成を意味している。担持量35wt%では2nm、60wt%では3 nm、70wt%では4nmとPt粒子径が大きくなる。次に粒子径と触媒活性およびPt電子状態の関係を調べた。COストリッピングボルタンメトリーにおけるCOの酸化開始電位に着目すると、低Pt担持量の場合に、開始電位が低いことがわかった。10~20wt% の担持量での0.31Vという値が、 30~70wt% になると0.34~0.36Vと高電位側にシフトした。Pt/CB触媒では0.42Vとかなり高い。このように、グラフェンの顕著な担体効果が明らかとなった。担体効果はPtの粒子径が小さいほど大きい。サイズが小さくなると、よりグラフェンと接するPt原子の数が相対的に増えるためと考えられる。 グラフェンの担体効果は、Ptのd軌道とグラフェンのπ軌道の相互作用によるものと考えられる。その結果、 Ptの電子状態は変化し、触媒活性が変化するものと説明される。 実際に、Ptの電子状態の変化はPt4fでも観測された。バルクPtではPt 4f7/2のピークが71.2eVに出るが、 低担持量ほど高エネルギー側にシフトし、 10wt%Pt/GNSでは71.8eVにXPSピークが現れた。 これはPtから炭素への電子移動が起こり、 Ptが若干正電荷を有することを意味する。 低担持量ほどPt粒子サイズが小さくなることを考えると、 界面におけるPt原子と炭素原子の化学的相互作用(化学結合)がサイズの減少と共に顕著になるものと結論される。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|