2011 Fiscal Year Annual Research Report
自己分散型クラスター・ナノ粒子による高耐久低温燃焼触媒
Project/Area Number |
23360354
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
薩摩 篤 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00215758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 研一 北海道大学, 触媒化学研究センター, 准教授 (60324000)
沢邊 恭一 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 講師 (80235473)
大山 順也 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教 (50611597)
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Keywords | クラスター触媒 / 自動車触媒 / 自己組織化 / セリア / 銀 / ディーゼル排ガス / 長寿命触媒 / in-situ分析 |
Research Abstract |
本研究では担持金属触媒において酸化物担体と反応雰囲気の適切な制御により発現する自己分散現象を解明することにより、金属ナノ粒子・ナノクラスターの自己組織化を制御し、触媒の安定化を図り、長寿命・低温活性触媒設計のための戦略を提案する。具体的には、(1)自己分散現象の機構を解明するため、酸化物担体と金属の物性に対して相関性を明らかにして制御の方法を提案し、(2)自己分散性を利用してクラスター・ナノ粒子触媒の低温燃焼触媒への応用を目指したものである。本年度年度は自己分散現象を制御するための構造因子の解明として、(1)Ag/CeO_2におけるAgのナノ粒子への自己分散、(2)Ag/SnO_2におけるAgの酸化状態での再分散関して、in-situ IR, in-situ UV-Vis, XDR, XAFS, TEMを用いて明らかにした。自己分散現象を制御するための構造因子を検討したところ、Ag/CeO_2においてはCeO_2の格子欠陥で活性化された酸素によるAgの酸化が、Ag/SnO_2では表面でのAg_3Sn合金の形成がそれぞれ鍵であることを明らかにした。また、これらの触媒は、カーボンを300℃以下の低温で燃焼することが可能でありディーゼル粒子状物質の酸化除去触媒として有効である。特に、Ag/SnO_2は高温でAgおよび担体の耐シンタリング性が高く耐久性が高い触媒であることを見いだした。また、アルミナに担持したAgは1000℃での耐久試験後も適切な酸化還元処理によりAgナノ粒子が自己分散し、CO燃焼反応に対して典型的なPt触媒を凌駕する熱耐久性を示すことを見いだした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度当初、本年度の目標を、(1)自己分散現象を制御するための構造因子の解明と、(2)自己分散型クラスター・ナノ粒子触媒の高耐久・低温燃焼触媒への応用とした。「9.研究実績の概要」で述べたように、いずれにおいてもAg/CeO_2、Ag/SnO_2、Ag/AlO_3触媒をモデルとして、構造因子を明らかにし、高耐久・低温燃焼触媒の応用の可能性を示した。
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Strategy for Future Research Activity |
自己分散現象を制御するための構造因子に担持金属の酸化があることが明らかとなったが、金属が酸化されてから担体上に分散するまでのdriving forceについてはまだ疑問が残っている。これを解決するため、Ru/CeO_2をモデル触媒としてRuの自己分散挙動について解析し、金属-担体間に働く相互作用を明らかにする。また、触媒活性をより低温で発現させるためには、金属成分の分散だけでは充分な制御ができないと予想される。このため、担体の金属酸化物も積極的に燃焼反応に酸化するような触媒設計指針を明らかにする。
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[Presentation] 環境触媒2011
Author(s)
薩摩篤
Organizer
第五回触媒道場
Place of Presentation
関西セミナーハウス(京都市)(招待講演)
Year and Date
20110905-20110906
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