2014 Fiscal Year Annual Research Report
微生物を介した大腸炎寛解プロセスのシステム論的制御
Project/Area Number |
23360373
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
常田 聡 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30281645)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 腸内細菌 / 代謝産物 / 大腸炎 / メタボローム / 数理モデル / 抗炎症 / プロバイオティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
現在までに、腸炎の寛解移行期における腸内環境(細菌群集構造あるいは腸管内代謝物)の動態に関する知見は乏しい。そこで本年度は、腸炎モデルマウスの大腸内に起こる一連の環境因子と細菌群集の動態を解析し、腸炎寛解過程に重要な役割を担う細菌群集あるいは代謝産物を特定することを目的とした。本研究では、大腸炎の自然寛解過程を解析できるデキストラン硫酸塩(DSS)誘導腸炎モデルを用いて、正常期、腸炎進行期、腸炎寛解期の各フェーズの大腸内のメタ16S rRNAライブラリー解析およびメタボローム解析を行った。IonPGMシーケンサーを用いたメタ16S rRNAライブラリー解析の結果、いずれのステージにおいてもLactobacillaceae科細菌が最優占であったが、腸炎の進行に伴い、Bacteroidaceae科やErycipelotrichaceae科の細菌が増加することが明らかとなった。一方、腸炎寛解移行期では、Lactobacillus murinusが顕著に増加していた。1H NMRを用いたメタボローム解析の結果、細菌叢解析の結果と同様、腸炎進行期と腸炎寛解期で代謝物プロファイルが異なっていた。特に、腸炎進行期から腸炎寛解期への遷移に伴い顕著に乳酸とコハク酸が増加していることを特定した。また、腸炎寛解モデルマウスから単離に成功したL. murinusとB. acidifaciensは、それぞれコハク酸と乳酸産生能を持つことがわかった。しかしながら、腸炎寛解期において乳酸の増加と乳酸菌(Lactobacillaceae科)の顕在化は相関するものの、コハク酸の産生主であるBacteroides属細菌は減少傾向であった。そこでコハク酸量と正の相関を持つ細菌を統計学的に検索したところ、L. intestinalisが腸炎寛解期におけるコハク酸産生に関連している可能性が示唆された。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)