2011 Fiscal Year Annual Research Report
白金族抽出における外圏サイズ認識効果の解明及び新規分離試薬開発
Project/Area Number |
23360407
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
成田 弘一 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境管理技術研究部門, 主任研究員 (60357689)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
元川 竜平 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究員 (50414579)
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Keywords | 白金族 / 溶媒抽出 / アミド / アミン / 抽出錯体 |
Research Abstract |
N,N-二置換アミド含有3級アミン化合物について、アミド基が2個のビス型({RR'NC(O)CH_2}_2NR")7種類([R,R',R"]:[メチル,ヘキシル,ヘキシル][ブチル,ブチル,ヘキシル][ブチル,ブチル,2-エチルヘキシル][プロピル,プロピル,2-エチルヘキシル][ヘキシル,ヘキシル,ヘキシル][2-エチルヘキシル,2-エチルヘキシル,ブチル][2-エチルヘキシル,2-エチルヘキシル,2-エチルヘキシル])及び3個のトリス型({RR'NC(O)CH_2}_3N)5種類([R,R']:[メチル,ヘキシル][ブチル,ブチル][プロピル,プロピル][ヘキシル,ヘキシル][2-エチルヘキシル,2-エチルヘキシル])を用いて、アミドのN-置換基の構造変化による白金族金属の抽出率の変化について調べた。いずれの抽出剤も、(1)塩酸濃度0.5-10mol/Lにおいて、パラジウム及び白金をほぼ全量抽出、(2)ロジウム抽出率は塩酸濃度1-3mol/Lに最大値を示し、塩酸濃度の上昇に伴い著しく低下、(3)抽出したロジウムは10mol/Lで選択的に逆抽出可能、といった抽出挙動を示した。一方、側鎖の炭素数が少ない程、高いロジウム抽出率を示す傾向が得られた。 塩酸溶液中のロジウムおよび白金をN,N-二置換アミド含有3級アミン化合物により抽出し作成した白金族錯体の内圏構造を調べたところ、いずれも塩酸溶液中および有機相中での白金族イオンの内圏構造に差異はみられず、イオン対型抽出であることが示唆された。 この白金族錯体の外圏を含めた構造をX線散乱法により分析したところ、白金族錯体間に生じている排除体積効果を反映した散乱ピークが観測された。この排除体積効果は白金族のオクタヘドラル錯体の外圏で抽出試薬が相互作用を起こし、大きな会合構造がつくられた事が原因と考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
抽出剤構造の変化による白金族抽出分離挙動および、オクタヘドラル錯体を形成するロジウムおよび白金抽出錯体の内圏構造の解明が進み、次年度から本格的に実施される予定のX線および中性子散乱実験のための基礎データを得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
白金族オクタヘドラル抽出錯体の外圏構造特性を調べるために、X線および中性子散乱実験による構造解析を行い、抽出不活性種である白金族オクタヘドラル錯体に対し高い抽出率を有するN,N-二置換アミド含有3級アミン化合物の抽出機構の解明を目指すとともに、混合抽出剤による白金族抽出における協同効果の解明も進める。
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