2011 Fiscal Year Annual Research Report
青色パルス光の非視覚的作用に関する生理人類学的研究
Project/Area Number |
23370104
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
勝浦 哲夫 千葉大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00038986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下村 義弘 千葉大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60323432)
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Keywords | 生理人類学 / 青色パルス光 / 発光ダイオード(LED) / 単波長光 / 非視覚的作用 |
Research Abstract |
今年度はまず光制御同路および光提示システムを見直し,新たに製作した。パルス光の発生および制御はファンクションジェネレータ(GWINSTEK製 AGF-3000),直流安定化電源,および自作回路を用いた。光提示は直径45cmの積分球を製作し用いた、積分球内にピーク波長458nmの青色発光ダイオード(LED)を6個配置した。実験は暗室ブース内で実施した。被験者は色覚正常で健常な青年10名であった。被験者は積分球開口部から45cmの顎乗せ台に頭部を固定し,積分球から15cmの距離に設置した拡散板を注視した。パルス光のパルス幅は0.5,1.0,2.0,4.0,8.0,16.0μsおよび10msの7条件であった。光の放射照度は被験者の眼の位置で2μW/cm^2に設定した。実験は暗室内で40分間安静にした後に開始し,3分間の安静,光刺激(10s間隔で20回)時の瞳孔径測定,主観評価を条件毎に行った.光条件の順序はカウンターバランスを取った。この結果,すべの条件で縮瞳が確認された。パルス幅10msでは,平均1.6mm縮瞳し,他のすべての条件より有意に縮瞳は大きかった。16μsでは0.7mm縮瞳し,0.2mmの0.5μs条件および0.3mmの1.0μs条件より有意に大きかった。パルス幅(X)に対する縮瞳量(Y)の関係は,Y=0.22+0.151n(X)(R^2=0.71)と有意な回帰が得られた。主観評価では,「青み」感は0.5,1.0,2.0μs条件は弱く,4.0,8.0,16.0μs条件はやや弱く,10ms条件では強いことが示された。以上のように,青色(458nm)パルス光のパルス幅を調整し,縮瞳の量的・時間的な特性を検討し,ごく短い発光時間でも縮瞳が誘発されることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
光制御回路および光呈示システム(積分球)などの実験システムを完成し,実験を実施することができた。特にパルス幅10μs以下の非常に短時間の発光においても縮瞳が誘発されることを見い出したことは意義深いと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
23年度に得られた結果を精査すると共に,24年度は完成した実験システムを用いてパルス幅条件に加えて,視野条件,放射照度条件等についても検討する予定である。脳波,視覚誘発電位についてはすでに測定手法を確立しているが,網膜電図測定については23年度には調査段階は終了し,24年度に測定法を確立,実施することを計画している。
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Research Products
(2 results)