2012 Fiscal Year Annual Research Report
日常生活における受光履歴とトリプトファンの食事摂取が睡眠に及ぼす影響
Project/Area Number |
23370106
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Research Institution | Fukuoka Women's University |
Principal Investigator |
森田 健 福岡女子大学, 人間・環境学研究科(研究院), 教授 (20326474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津村 有紀 純真短期大学, その他部局等, 助教 (00457417)
若村 智子 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40240452)
福田 裕美 福岡女子大学, 人間環境学部, 助手 (50551412)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 光 / 睡眠 / 栄養学 / 生体リズム |
Research Abstract |
健康的生活をおくる上での大きな問題である睡眠障害の一つの原因として、24時間化した現代都市生活がもたらすメラトニンホルモンの分泌リズムを代表とするサーカデイアンリズムの乱れが指摘されている。 従って睡眠障害の改善には、メラトニンホルモンリズムの改善が必須であり、それにはメラトニン合成の原料となるトリプトファン摂取量、およびその合成を律速する酵素活性を高める光刺激を適切に制御することが必要である。本研究は、日常生活の中での食事、受光履歴および睡眠実態をメラトニン分泌挙動とともに把握し、睡眠障害改善と現代生活環境への適応を図る食・住生活スタイルの提案への基礎的知見を得ることを目的としている。 本年度は、日常生活での朝食のトリプトファン摂取量(Trp)と日中の受光量が睡眠に与える影響を把握するため、男子大学生40名を対象にTrp(poor/rich)、光環境(bright/dim)の2要素4群で4泊5日の実験を行った。メラトニン分泌挙動の比較において、Trp(poor)+光(dim)グループに比べTrp(rich)+光(bright)グループにおいて位相の前進と分泌量増加傾向が表れ、心理評価とあわせた考察から食事および光環境の睡眠問題改善効果が推測される結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日常生活を前提にした食事、光環境を設定した実験を行い、これまで定性的には言われていた朝食に含まれるトリプトファン量および高照度光への暴露がもたらす夜間の睡眠への効果を、メラトニン分泌挙動を中心とした定量的把握によって確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の実験は、日常生活を前提として計画したため、食事内容におけるトリプトファン摂取量差を中心にTrp(rich/poor)条件を設定した。そのためその他の栄養素においては両条件間で摂取量に差が生じ、厳密な意味でのトリプトファン摂取量に限定した差を確認することにはならなかった。次年度においてはトリプトファン以外の栄養素条件をできるだけ同一にするとともに、食事摂取からトリプトファン~セロトニン~メラトニンへの変化挙動を詳細に追跡する実験を実施する。
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Research Products
(3 results)