2011 Fiscal Year Annual Research Report
日本の森林土壌における有機物分解性の定量化とその支配要因の解明
Project/Area Number |
23380096
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Field |
Forest science
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
小嵐 淳 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力基礎工学研究部門, 研究副主幹 (30421697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 麻里子 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力基礎工学研究部門, 研究副主幹 (20354855)
石塚 成宏 独立行政法人森林総合研究所, 九州支所, グループ長 (30353577)
平舘 俊太郎 独立行政法人農業環境技術研究所, 生物多様性研究領域, 主任研究員 (60354099)
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Keywords | 森林土壌 / 土壌有機物分解 / 放射性炭素(14C) / 地球温暖化 / 化学分画 / 土壌鉱物特性 |
Research Abstract |
土壌に有機物として大量に蓄積している炭素が、地球温暖化に伴ってどれだけ大気中へ放出されうるかを正確に予測するためには、土壌有機物の蓄積「量」の把握に加えて、その「質」、すなわち「分解性の多様性」を定量的に把握することが不可欠である。本研究では、我々が開発した「土壌有機物分画と放射性炭素(14C)分析を組み合わせた方法」を用いて、日本の森林土壌における有機物分解性を定量化することを目指している。 国内の気候帯や土壌分類が異なる森林において、リター層及び表層20cmの土壌を採取した。採取した土壌を深さごとに切り分け、その炭素含有量を測定するとともに、加速器質量分析装置(AMS)を用いて14C同位体比を分析した。また、塩酸及び水酸化ナトリウムを用いた化学分画を行い、得られた酸不溶性及びアルカリ不溶性に対する炭素含有量及び14C同位体比を分析した。得られた14C同位体比に基づいて有機物の滞留時間を推定した。さらに、土壌の鉱物学的特性として、ピロリン酸・シュウ酸塩・ジチオナイトによって抽出されるアルミニウムと鉄の量を測定した。 その結果、土壌有機物の数年から数千年におよぶ滞留時間の分布を推定することに成功し、森林サイト間で深ざごと及び有機物分画ごとの14C同位体比分布が異なり、したがって、有機物の滞留時間分布が異なることが明らかになった。土壌有機炭素の貯留量が多い土壌ほど、ピロリン酸抽出アルミニウム量が多く、滞留時間が100年以上と長い有機物の蓄積量が多いことから、土壌の鉱物学的特性が表層土壌の有機物動態に強く影響を及ぼしている可能性があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた調査土壌の選定・採取、土壌有機物の分画、同位体分析、土壌特性分析は達成できている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画通り、次年度以降も土壌有機物の分画、同位体分析、土壌特性分析を継続し、データの蓄積を図る。
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Research Products
(5 results)