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2011 Fiscal Year Annual Research Report

抗菌剤に頼らない犬の膿皮症治療法の開発:抗菌ペプチドとバクテリオファージ

Research Project

Project/Area Number 23380183
Research InstitutionTokyo University of Agriculture and Technology

Principal Investigator

岩崎 利郎  東京農工大学, 大学院・農学研究院, 教授 (50262754)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 西藤 公司  東京農工大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (20365422)
田村 豊  酪農学園大学, 獣医学部, 教授 (50382487)
Keywords犬の膿皮症 / 抗菌ペプチド / Staphylococcus pseudintermedius
Research Abstract

犬のカセリジシンのアミノ酸配列よりプライマーを設計し,PCRを行い,得られた増幅産物を基にしてシークエンスを行い塩基配列を確認した。その絵で大腸菌に塩基配列を組み込みリコンビナント蛋白を作製したが,ヒト抗体を用いたウエスタンブロットならびに蛍光抗体では反応をしなかったため,引き続きプライマーを変更してリコンビナント蛋白を作成中である。一方,抗ヒトカセリジシン(LL-37/hCAP18)マウスモノクローナル抗体(Hycult)はヒトのカセリジシンのプロペプチドであるhCAP18および成熟ペプチドであるLL-37に対するモノクローナル抗体であるが,この抗体を用いて犬の背部,腹部,鼻鏡および肉球皮膚における局在をしらべた。その結果,基底層,有棘層および顆粒層に相当する部位が染色された。また,犬の皮膚の脂腺,アポクリン腺など皮膚附属器にもカセリジシンが局在すると考えられた。また,本抗体を用いて皮膚の抽出タンパク質を基質として免疫プロット法を行ったが,バンドは得られなかった。
次にカセリジシンのアミノ酸は入れ列を基にして科学的にペプチドを合成し,犬の膿皮症症例より培養したStaphylococcus pseudintermediusの5株との間で,Minimum Inhibition Concentration(MIC)を求めた。その結果,E. coli ATCC 25922株に対するイヌカセリジシンのMICは0.39μM,感受性 s. pseudintermediusのMICは5株中,1株で0.195μM,3株で0.39μM,1株で0.78μMであった。多剤耐性 S. pseudintermediusのMICは5株中2株で0.39μM,3株で0.78μMであった。これらのことから,犬の抗菌ペプチドであるイヌカセリジシンは,イヌの皮膚に広く分布することが明らかになり,今回イヌの細菌性膿皮症から採取したすべてのS. pseudintermediusに対して抗菌活性を有することが明らかとなった.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初のカセリジシンのリコンビナント蛋白を用いたS. pseudintermediusに対する抗菌活性の検討は現在も進んでいるが,合成カセリジシンを用いた抗菌活性を得ることができ,犬においてもカセリジシンは細菌性皮膚感染症の治療に役立つ可能性が示されたことは意義深い。

Strategy for Future Research Activity

合成カセリジシンでは蛋白の大量合成が難しいので,できるだけ早く大腸菌を用いたリコンビナント蛋白を多く作製したい。また,これに加えてバクテリオファージを現在検討中であるが,S. pseudintermediusに溶菌性のあるものを今後も探索を続ける。また,これらに加えて金属イオンを用いた抗菌活性物質についても研究を続ける。

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Published: 2013-06-26  

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