2011 Fiscal Year Annual Research Report
新規創薬標的としての細胞内カルシウム正帰還制御機構と関連イオンチャネル分子群
Project/Area Number |
23390020
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
今泉 祐治 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (60117794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大矢 進 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 准教授 (70275147)
山村 寿男 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 講師 (80398362)
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Keywords | イオンチャネル / カリウムチャネル / カルシウムチャネル / イオンチャネル標的創薬 / ストア依存性カルシウム流入 / 正帰還カルシウム制御機構 / 分子イメージング |
Research Abstract |
多くの非興奮性細胞において、刺激応答の初段階となる細胞内Ca^<2+>濃度上昇を正帰還的に制御する機構が普遍的に存在する可能性が高い。これまでK^+チャネル、特にCa^<2+>活性化K^+(K_<Ca>)チャネルがその正帰還Ca^<2+>D制御機構の中心的役割を担う分子であることを提唱してきた。本研究の目的は、同機構の機能的重要性をさらに検証するとともに、K_<Ca>チャネル発現調節を含む正帰還(Ca^<2+>制御機構の異常が疾患に結びつく可能性と創薬標的となる可能性を脳血管内皮細胞,軟骨細胞,Tリンパ球,前立腺間質細胞,気道上皮繊毛細胞などで解明することであり、次の成果を得た。 (1)Tリンパ球において中コンダクタンスK_<Ca>(IK)チャネルが正帰還Ca^<2+>制御機構の中心的役割を担っていること、IKにドミナントネガティブ体も存在し、アレルギー疾患においてその比率が変化している可能性、の2点をラットとヒトにおいて解明し(JBC, 2011)、IKチャネル阻害薬の有効性を実証しつつある。 (2)前立腺肥大モデルラットでIKチャネルが正帰還Ca^<2+>制御機構活性化を介して、間質細胞増殖に寄与していること、同様の現象がヒト前立腺肥大患者においても見られることを明らかにした(JPET, 2012)。 (3)脳血管内皮細胞において、細胞障害時に内向き整流性K^+チャネルの発現増大が生じ、正帰還Ca^<2+>制御機構活性化を介して、細胞にアポトーシスを引き起こすことを明らかにした(BBRC, 2011)。 (4)全反射蛍光顕微鏡を用いた一分子可視化法による大コンダクタンスK_<Ca>(BK)チャネルの分子イメージングに成功し、4量体形成の解析法も確立した(AJP, 2012)。 (5)正帰還Ca^<2+>制御機構における主要なCa^<2+>流入経路としてOrai & StimやTRPCチャネルなどの分子実体を同定し、K_<Ca>チャネルとの分子間機能連関機構を解明しつつある(脳血管内皮細胞・軟骨細胞)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成23年度において、既にプロジェクトの重点となる非興奮性細胞における正帰還Ca^<2+>制御機構の機能的重要性とK^+チャネル(特にK_<Ca>チャネル)の担う中心的役割及び疾患との関連をT細胞(アレルギー疾患)、前立腺間質細胞(前立腺肥大症)、脳血管内皮細胞(血液脳関門破綻)で明らかにするとともに、関連薬物のそれぞれの疾患の治療における有用性を明らかにできた。さらに本プロジェクトで重要な位置を占める一分子可視化技術についても、これを確立しK_<Ca>チャネルのアルファサブユニット4分子による構成を可視化解析することができた。従って、初年度の予定は達成し、かつ次年度の内容(正帰還Ca^<2+>制御機構におけるCa^<2+>流入経路の分子実体の解析とK_<Ca>チャネルとの機能連関)に研究を進展させている(一部学会発表済。投稿準備中)。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通りに2年目の研究を推進する(一部は既に1年目に一部遂行)。 (1)正帰還Ca^<2+>制御機構におけるCa^<2+>流入経路の分子実体の解析とK_<Ca>チャネルとの機能連関の解明を各種非興奮性細胞で行うとともに、その分子間機能連関の解析に一分子可視化法を用いる。 (2)各種疾患モデルにおけるK_<Ca>チャネルの発現変化とその調節機構を明らかにするとともに、KCaチャネル作用薬の治療効果を検討する。既にIKチャネルについては一部報告している(前立腺肥大症)。 (3)K_<Ca>チャネルの遺伝子改変マウスの作成に着手するとともに、既に既成の遺伝子改変マウスを用いて正帰還Ca^<2+>制御機構の重要性を検証する。
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Research Products
(36 results)
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[Journal Article] TRIC-A channels in vascular smooth muscle contribute to blood pressure maintenance2011
Author(s)
Yamazaki D, Tabara Y, Kita S, Hanada H, Komazaki S, Naitou D, Mishima A, Nishi M, Yamamura H, Yamamoto S, Kakizawa S, Miyachi H, Yamamoto S, Miyata T, Kawano Y, Kamide K, Ogihara T, Hata A, Umemura S, Soma M, Takahashi N, Imaizumi Y, Miki T, Iwamoto T, Takeshima H
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Journal Title
Cell Metab
Volume: 14(2)
Pages: 231-41
DOI
Peer Reviewed
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