2011 Fiscal Year Annual Research Report
Rac1活性の光制御によりマクロパイノサイトーシスをコントロールする
Project/Area Number |
23390039
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Field |
General anatomy (including Histology/Embryology)
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
荒木 伸一 香川大学, 医学部, 教授 (10202748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 克也 香川大学, 医学部, 准教授 (30219745)
江上 洋平 香川大学, 医学部, 助教 (80432780)
藤井 誠 香川大学, 医学部, 助教 (30398086)
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Keywords | Rac1 / 分子スイッチ / マクロパイノサイトーシス / 蛍光イメージング / 光制御 / 顕微鏡技術 / アクチン細胞骨格 / 小胞形成 |
Research Abstract |
低分子量GTPase分子スイッチであるRac1は、アクチン細胞骨格の重要な調節体でありマクロパイノサイトーシスを含むさまざまなアクチン依存性の細胞運動の制御に関わっている。植物の青色光センサーであるphototropinのLOV2ドメインをGTP結合型Rac1に融合させたphoto-activatable(PA)-Rac1は、青色レーザー照射により共焦点顕微鏡下で時空間的に活性化することができる。今回、我々は、このPA-Rac1を発現させたRAWマクロファージの局所に青色レーザーを照射することでRac1活性をコントロールし、マクロパイサイトーシスの過程を光制御(photo-manipulation)することに世界で初めて成功した。 mCherry融合PA-Rac1を発現させた細胞を顕微鏡下で確認し、その細胞の一部を青色レーザーで連続的に照射すると、その領域付近で著しい細胞表層ラッフリングが起こり、多数のマクロパイノゾーム様(前駆)構造が形成された。照射部位にはアクチンの集積やPI(4,5)P2の生成も確認された。青色レーザー照射を止めると、ラッフリングはおさまり、マクロパイノゾーム様構造の幾らかはそのまま消失し、幾らかは完成したマクロパイノゾームとして細胞中央へ向かって移動しはじめた。しかし青色レーザー照射を止めずに継続すると、マクロパイノゾーム様構造は、その領域内で留まったままで増加し続けた。このことは、マクロパイノゾーム形成から成熟過程への移行には、Rac1の一時的な活性化とそれに続く不活性化が必要であることを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Photo-activatable Rac1の遺伝子導入、発現系において生きた細胞にブルーレーザーを照射することにより、局所的に細胞膜ラッフリングないしマクロパイノゾーム形成を誘導することに世界で初めて成功した。Rac1下流にあるアクチン重合、PI(4,5)P2の生成も確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
Rac1の活性を光制御することにより、マクロパイノゾームの成熟過程の進行を各種の機械分子やRabタンパク質のリクルートを指標に解析し、Rac1の活性化及び不活性化の役割を可視化する。また、Rac1とPI3kinaseの相互関係、フィードバックループの存在についても検討を加える。 PA-Rac1の活性化に適した照射条件はかなり確立することができたが、細胞種によっては応答が悪いものもある。多くの細胞種において安定したPA-Rac1活性の制御が行えるよう実験条件の改良を図りたい。
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Research Products
(2 results)