2011 Fiscal Year Annual Research Report
アルブミン微粒子を担体としたNOトラフィックナノ医薬の開発と集学的癌治療への応用
Project/Area Number |
23390142
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
丸山 徹 熊本大学, 薬学部, 教授 (90423657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田切 優樹 崇城大学, 薬学部, 教授 (80120145)
渡邊 博志 熊本大学, 薬学部, 准教授 (70398220)
異島 優 熊本大学, 薬学部, 助教 (00457590)
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Keywords | アルブミン / 一酸化窒素 / 癌治療 / DDS |
Research Abstract |
本研究では、ヒト血清アルブミン(HSA)分子をNOトラフィックシステムの担体に活用し、集学的癌治療へ応用することを目的とした。 担癌マウスの腫瘍体積及び細胞生存率の評価より、Poly-SNO-HSAは、耐性獲得細胞において低下したdxの抗腫瘍効果を回復させた。この機序として、cGMP経路の関与に加えHIF-lalfa及びP-gpの発現量低下に伴う細胞内dx蓄積量の増大が確認された。以上の結果より、Poly-SNo-HSAは自身の抗腫瘍効果に加えて抗癌剤感受性増強作用を併せ持つ新規抗癌剤としての可能性が示唆された。 HSA DimerはHSA Monomerよりも高い腫瘍蓄積性を示すことが判明した。また、SNO-HSA DimerはニトログリセリンあるいはSNO-HSA Monomerよりも効率的にNOを腫瘍組織に供給した。その際、腫瘍組織に対するHSA Dimerの取り込みも亢進していた。加えて、HSAに対して高い親和性を有するエバンスプルーを用い、EPR増強効果を評価したところ、SNO-HSA Dimer>>ニトログリセリン=SNO-HSA Monomerの順であった。最後に、高分子抗がん剤を併用して、腫瘍増殖抑制効果を比較した結果、SNO-HSA Dimerにおいて最も高い抗腫瘍作用が認められた。興味深いことに、この結果は腫瘍内NO供給能の程度と一致していた。これらの結果から、SNO-HSA Dimerは高分子抗がん剤に対するEPR効果増強剤としての有用性が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Poly-SNO-HSAの抗腫瘍効果に加えて抗癌剤感受性増強作用を併せ持つ新規抗癌剤としての可能性を見出すと共に、EPR増強剤としてのHAS Dimerの有用性を見出したことから当初の目標は概ね達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は当初の研究計画を概ね達成したことから、来年度以降も今年度同様に研究分担者との連携を密にして研究計画を遂行する予定である。
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Research Products
(3 results)