2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23390156
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
古江 秀昌 生理学研究所, 生体情報研究系, 准教授 (20304884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神野 尚三 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10325524)
深澤 有吾 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60343745)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 脳・神経 / 鎮痛 / シナプス / 神経科学 / ノルアドレナリン / 光操作 / 神経回路 |
Research Abstract |
青斑核から脊髄へ下行するノルアドレナリン神経を選択的に制御するために、逆行性にノルアドレナリン神経にチャネルロドプシンを発現する動物を作出した。次いで、前年度に作出した動物など、これらノルアドレナリン神経を制御できる動物にin vivoパッチクランプ法やスライスパッチクランプ法を適用し、また、作動薬や拮抗薬を用いた薬理学的解析や固定標本を用いた免疫組織化学的解析も併せて行い、シナプスレベルで痛覚抑制機構の詳細な解析を行った。 その結果、ノルアドレナリン神経の賦活化により同様に脊髄における抑制性シナプス応答の発生頻度が著明に増大することを確認した。一方、脊髄における興奮性シナプス伝達に対する影響はみられなかった。免疫組織化学的解析からノルアドレナリン神経は脊髄後角に密に投射し、脊髄後角における抑制性介在ニューロンであるGABAニューロンから記録を行うと、一部のGABAニューロンはノルアドレナリンにより活動電位を発生した。このGABAニューロンの賦活化にはα1受容体を介することが明らかとなり、ホールセルクランプ法でもセルアタッチド法でも同様の作用が確認できた。一方、疼痛モデルを用いた解析ではこの抑制機構に著しい変調は見出されなかった。以上のin vivo標本などを用いた統合的解析から、下行性抑制系の1つであるノルアドレナリン神経は、脊髄GABAニューロンを利用して有効に痛み入力を抑制すること、その機構の詳細が明らかとなった。本研究により、中枢性の痛みの抑制機構が明確となり、極めて重要な基礎的知見が蓄積された。これらの成果は今後の新規鎮痛薬の開発や、難治性疼痛などの治療法の開発に寄与できる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(12 results)