2012 Fiscal Year Annual Research Report
クジラ類由来高濃度メチル水銀曝露の健康影響に関する研究
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23390168
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Research Institution | National Institute for Minamata Disease |
Principal Investigator |
中村 政明 国立水俣病総合研究センター, 臨床部, 室長 (50399672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 峰至 国立水俣病総合研究センター, 国際・総合研究部, 部長 (60344420)
蜂谷 紀之 国立水俣病総合研究センター, 疫学研究部, 室長 (90124643)
村田 顕也 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (90264853)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 環境中毒 / クジラ / メチル水銀 / 健康影響 |
Research Abstract |
成人の健康影響(神経障害)調査については、神経内科を実施した194名(男117名、女77名)のうち、これまでの毛髪水銀濃度が一度でもWHOクライテリアで神経症状発現の下限値とされる50 ppmを上回る毛髪水銀濃度を呈した15名の脳磁計検査を実施した。15名のうち5名に水俣地区で観察されているSEF(体性感覚誘発磁場)の波形異常が見られた。本所見の意義については来年度実施予定のMRIの検査(fMRI、MRスペクトロスコピー、fiber trackなど)の結果と合わせて、今後検討していく予定である。なお、平成24年5月30日、太地町公民館で「太地町における水銀と住民の健康影響に関する調査結果報告会」 を行い、太地町住民にこれまで行った成人の健康影響(神経障害)調査結果を報告した。 メチル水銀曝露による小児発達への影響調査については、平成24年6月11日、東京で「小児検診」に係る最終打ち合わせを行い、8月6日から8月12日、太地町多目的センターで、小児検診を実施した。対象は小学1年生~3年生(48名)で、調査項目は、①毛髪採取、臍帯収集、②小児の身長・体重・血圧測定、③保護者から既往歴等の聴取、④小児神経機能評価:小児神経診察、 WISC検査、 アイトラッカー検査、上肢運動機能評価システム、⑤神経生理学検査:色覚検査、心電図QTc時間、R-R インターバル、聴性脳幹誘発電位(ABR)、視覚誘発電位(VEP)であった。現在までの結果の解析では、男児で臍帯メチル水銀濃度と関連性を認めた項目(言語性IQ)、および毛髪水銀濃度と関連性が疑われた項目(色覚)があったが、サンプルサイズ(n=48)が小さいため、今回の結果のみでメチル水銀曝露の影響を説明することは難しいと思われた。今後、サンプル数を増やしていき、健康影響の有無を明らかにしていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度実施出来なかった脳磁計の検査(15名)を実施して興味深い知見が得られた。また、メチル水銀の小児発達への影響調査も実施できたことから、研究はおおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
1) 成人の健康影響(神経障害)調査: 昨年度脳磁計検査を行った15名の被験者にMRIの検査(fMRI、MRスペクトロスコピー、fiber trackなど)を実施する。MRIと脳磁計の検査を合わせて、メチル水銀曝露によるサブクリニカルな異常の有無について検討する。 2) メチル水銀曝露による小児発達への影響調査: 太地町の小学生一年生と保護者を対象に、親子の毛髪水銀濃度および臍帯水銀濃度を測定し、現在および胎児期のメチル水銀曝露状況を評価するとともに、小児神経機能評価および神経生理学検査を実施し、メチル水銀曝露による小児発達への影響を検討する。
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Research Products
(1 results)