2012 Fiscal Year Annual Research Report
腎・代謝・免疫調節因子としてのNGALの病態生理的意義の解明
Project/Area Number |
23390225
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森 潔 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60343232)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 腎臓学 / バイオマーカー / 免疫 / 神経系 / 好中球 / マクロファージ |
Research Abstract |
脳内の炎症におけるNGALの役割をミクログリアのサブタイプの視点から解析した。活性化マクロファージには炎症を惹起するM1および炎症を抑制するM2サブタイプが存在し、脳内ミクログリアにも同様のサブタイプが存在することが想定されている。ミクログリアにNGALを添加するとM1マーカーの発現が亢進しNGALの分泌も増加した。またNGALはIL-4で刺激したミクログリアにおけるSTAT6のリン酸化を抑制したのでM2シグナル経路を抑制すると考えられた。NGAL欠損マウスから採取したミクログリア細胞ではM1の性質が減弱しM2の性質が増強していた。さらにLPSにより神経炎症を惹起した際に、NGAL欠損マウスでは野生型マウスに比べて運動能低下、認知機能低下が抑制されていた。以上より、NGALは脳内ミクログリア細胞においてM1シグナルを増幅し、脳の炎症および機能障害を悪化させることが明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに研究を遂行し、成果を論文発表することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、骨髄移植、間質性肺炎などの臨床症例におけるNGALの意義およびNGAL欠損マウスのエネルギー代謝におけるNGALの意義を引き続き明らかにしていく予定である。
|
Research Products
(4 results)