2013 Fiscal Year Annual Research Report
腎・代謝・免疫調節因子としてのNGALの病態生理的意義の解明
Project/Area Number |
23390225
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森 潔 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60343232)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 腎臓学 / バイオマーカー / 免疫 / 肺 / 神経系 / 好中球 / マクロファージ / 睡眠時無呼吸症候群 |
Research Abstract |
血液および尿中NGALの由来および分子量に関する検討を行った。造血系悪性腫瘍に対する骨髄移植に伴い末梢血好中球数がゼロになった症例あるいは、C/EBPe欠損のために好中球数ゼロのマウスにおいては、血中NGALは正常の30%まで減少したが尿中NGALは不変であった。好中球ゼロであっても急性腎障害を発症した際には血中・尿中NGALは著しく増加し、腎臓由来であると考えられた。血中NGALの主成分は100 kDa以上の大型分子、尿中NGALの主成分は100 kDa以下、とくに25kDa monomerの小型分子であり、血中NGALの半減期が長く、尿中NGALの半減期が短いことの原因が明らかとなった。以上より正常では血中NGALは主に好中球由来で、急性腎障害時には主に腎臓由来であると考えられた。 肺疾患とNGALの関係について更に検討を行った。重症の睡眠時無呼吸症候群(SAS)患者では有意に血中NGALが上昇していたが、CPAPによる治療を行ってもNGAL値には変化を認めず、SASにおいて低酸素状態が血中NGALを増加させている訳ではないと考えられた。特発性肺線維症の患者においては蜂の巣状のう胞性病変を取り囲む変性肺胞上皮細胞にNGALおよびMMP9が豊富に発現し、肺線維症患者の肺胞洗浄液(BALF)ではNGAL濃度が上昇しておりBALF好中球数および肺活量低下と連関していた。NGALはMMP9の分解を抑制することによりMMP9のプロテアーゼ活性を亢進させることが報告されている。以上より特発性肺線維症においてはNGALが重症度に応じて発現誘導され、プロテアーゼによる肺胞構造の破壊を促進する可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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