2012 Fiscal Year Annual Research Report
呼吸器疾患に伴う心血管疾患の検出、治療戦略構築へのポジトロン断層撮影法の導入
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23390294
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉永 恵一郎 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任教授 (30435961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻野 一三 北海道大学, 大学病院, 講師 (00344507)
加藤 千恵次 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (10292012)
真鍋 徳子 北海道大学, 大学病院, 講師 (70463742)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 内科系臨床医学 / 放射線科学 |
Research Abstract |
肺高血圧症患者における検討においてはWHOクラス分類2,3の肺高血圧症患者27例(平均年齢44.8±14.3 歳, mean PAP (mPAP): 42.9±15.6 mmHg, PV resistance: 656.5±245.3)を対象に炭素11標識acetate PETにより右心室の心筋酸素代謝が上昇していることを昨年度報告したが、このうち19例の肺動脈性および8例の血栓性患者で詳細な検討を行った。両タイプともに健常者よりも右室酸素代謝が亢進していた (P<0.05)。しかし、この2群間には差は認めなかった。また右室酸素代謝の亢進は平均肺動脈圧、肺血管抵抗に関連していた(mPAP :r=0.44, p=0.021, PVR:R=0.56, P=0.002)。 また右室の駆出率を炭素15標識ガスにて自動的に計測するプログラムを開発した。 心サルコイドーシスにおける検討では心臓病変を疑われるサルコイドーシス患者においてFDG PETの左室心筋への異常な局所集積と心電図異常の関連性について検討を行った。32例に心電図異常を認め、そのうち13例がAVブロックであった。心電図異常を呈する患者群ではそうでない、患者群に比して、左室心筋へのFDG異常集積を示す領域を多く認めた (3.48±2.73 vs. 1.41±2.09 regions, p = 0.0051). 各種の心電図異常と心筋へのFDGの異常集積についての関連を検討したところ、心室中隔とAVブロックについてのみ有意な関連を認めた。本研究成果はこれまでサルコイドーシスにおけるFDGの左室心筋異常集積の臨床的な意義付けを行ったものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年度、24年度にて肺高血圧症患者を対象に右心室の酸素代謝の評価およびプログラム開発を当初の予定どうりに推進してきた。 また研究成果については2011年米国核医学会にてプログラム開発について報告を行った。右心室の酸素代謝の臨床的意義について2011年に米国心臓病学会および米国心臓協会の学術集会にて発表を行った。 右心室における心仕事効率については計測モデルを確定することが出来たので、現在計測を進めている。また治療効果評価については現在治療強化群5例と対象群9例の初期データを得ている段階であり、現在症例を積み重ねている段階である。研究成果については現在論文投稿中となっている。 心サルコイドーシスについてはこれまでにベースラインのデータ解析を行ってきている。FDG PETの臨床的意義に関しては現在論文のrevisionを投稿中であり、査読結果を待っている段階である。 ステロイド治療効果および不整脈との関連性については現在症例の蓄積を行っている段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
肺高血圧症の研究は論文が現段階では未採択であり、若干遅延を認めているが、当初の画像解析技術の開発から臨床評価、治療効果評価に向けて計画どうりに研究を進めている。最終年度の課題としては現在計測を実施している右心室の仕事量および仕事効率の臨床的意義付けを明らかにする。次いで、健常者との比較を行い、患者群において右心室での仕事効率に低下を来しているか検討する。この仕事効率の定量解析は肺高血圧症の血管拡張薬療法の治療効果評価に応用が可能であり、現在症例を蓄積している治療効果評価の研究に応用し、本研究のゴールである治療効果評価の達成を目指す。 心サルコイドーシスに関しては現在肺高血圧症の研究で開発した右心室の病変検出法の応用を開始し、初期の成果が2013年の米国核医学会に演題採択されており、右心室への異常集積について臨床意義を明らかにする。現在HED PET/CTの局所心筋集積解析プログラムの開発が終了したため、このプログラムを応用し、FDGの異常集積を心筋交感神経機能異常について検討を進めていく予定である。そして、これまでの画像解析技術開発の成果を集約して、ステロイド治療による効果評価を行っていく予定である。
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Research Products
(8 results)