2012 Fiscal Year Annual Research Report
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23390303
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
高橋 昭久 群馬大学, 先端科学研究指導者育成ユニット, 准教授 (60275336)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 放射線治療 / 温熱治療 / 感受性 / がん幹細胞 / DNA二本鎖切断 |
Research Abstract |
がんの根治において、がん幹細胞が注目されている。様々な実験結果から、がん幹細胞様細胞はX線抵抗性であることが報告されている。一方、がん幹細胞が温熱感受性であることを示唆する注目すべき報告がなされた。そこで本研究ではこの現象を確かめることを目的とした。X線1日2 Gy(総線量2,278 Gy)の分割照射を続けても生存・増殖し続けたヒト舌扁平上皮がんSAS-R細胞とその親株SAS細胞を用い、温熱処理(44℃)した。対照にX線照射した。細胞の放射線感受性はHigh density survival assayで調べた。DNAの二本鎖切断量はヒストンγH2AXを指標としてフローサイトメーター(FACSCalibur, BD)を用いて調べた。がん幹細胞様集団頻度はがん幹細胞特異的マーカーCD44およびCD326による蛍光染色後、フローサイトメーターを用いて調べた。その結果、X線の20%生存率線量はSAS細胞で7.5 Gy、SAS-R細胞で12 Gy、温熱の20%生存率処理時間はSAS細胞で30分、SAS-R細胞で35分を示した。SAS細胞と比べてSAS-R細胞はがん幹細胞マーカー陽性の集団が多かった。SAS-R細胞はSAS細胞と比べてγH2AXはX線照射後早期に消失するが、温熱処理後に差は少ないこと、また、等生存率あたり放射線と比べて温熱によるDSB生成量は少ないが、DNA修復量も少ないことを確認した。いずれの細胞でも線量依存的にX線照射48時間後のがん幹細胞マーカー陽性の集団が増えていくのに対して、等生存率の温熱処理48時間後ではがん幹細胞マーカー陽性集団の増加は抑制されていた。温熱はがん幹細胞様細胞にも殺効果があり、X線抵抗性ながん細胞に対しても有効であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
がん幹細胞特異的マーカーによるがん幹細胞様細胞集団と非がん幹細胞集団を分画後、 温熱感受性ならびに温熱耐性と温熱誘導DSB生成量と修復能について明らかにしていきたい。
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Research Products
(33 results)
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[Journal Article] Depression of p53-independent Akt survival signals in human oral cancer cells bearing mutated p53 gene after exposure to high-LET radiation.2012
Author(s)
Yosuke Nakagawa,Akihisa Takahashi,Atsuhisa Kajihara,Nobuhiro Yamakawa,Yuichiro Imai,Ichiro Ota,Noritomo Okamoto,Eiichiro Mori,Taichi Noda,Yoshiya Furusawa,Tadaaki Kirita,Takeo Ohnishi
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Journal Title
Biochem. Biophys. Res. Commun.
Volume: 423 (4)
Pages: 654-660
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] LET依存的な殺細胞効果におよぼすDNA二本鎖切断修復の役割.2013
Author(s)
高橋昭久, 久保誠, 馬洪玉, 中川彰子, 吉田由香里, 古澤佳也, 小林泰彦, 舟山知夫, 金井達明, 大野達也,中野隆史.
Organizer
第6回 Quantum Medicine 研究会
Place of Presentation
茨城 茨城大学
Year and Date
20130303-20130303
Invited
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[Presentation] ヒト肺がん細胞の炭素線治療における標的としてのNHEJ修復.2013
Author(s)
馬洪玉, 高橋昭久, 久保誠, 中川彰子, 吉田由香里, 古澤佳也, 小林泰彦, 舟山知夫, 金井達明, 大野達也, 中野隆史.
Organizer
第15回癌治療増感研究シンポジウム
Place of Presentation
奈良 猿沢荘
Year and Date
20130209-20130210
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[Presentation] DNA二本鎖切断修復を分子標的としたLET依存的な殺細胞効果.2013
Author(s)
久保誠, 高橋昭久, 馬洪玉, 中川彰子, 吉田由香里, 古澤佳也, 小林泰彦, 舟山知夫, 金井達明, 大野達也,中野隆史.
Organizer
第3回国際放射線神経生物学会大会
Place of Presentation
沖縄 万国津梁館
Year and Date
20130125-20130126
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[Presentation] X線抵抗性細胞の重粒子線感受性.2012
Author(s)
高橋昭久, 吉田由香里, 馬洪玉, 中川彰子, 久保誠, 金井達明, 中野隆史
Organizer
伊香保BSの会・第2回多分野交流会
Place of Presentation
群馬 群馬大学刀城会館
Year and Date
20120825-20120826
Invited
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