2012 Fiscal Year Annual Research Report
神経系腫瘍幹細胞の放射線抵抗性と分化に対する重粒子線照射の影響
Project/Area Number |
23390304
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
長谷川 正俊 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (50251111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 絵美子 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (00596950)
井上 和也 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (20596952)
加藤 真吾 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (00370875)
大野 達也 群馬大学, 学内共同利用施設等, 教授 (10344061)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 癌幹細胞 / 神経幹細胞 / 放射線抵抗性 / cDNAアレイ解析 / アポトーシス / p53 / 膠芽腫 / CD133 |
Research Abstract |
放射線感受性と遺伝子発現,癌幹細胞との関係を解明する目的で,p53野生型の上衣芽腫,p53変異型の膠芽腫をヌードマウス皮下に移植して,X線,炭素イオン線(290MeV/u, 6 cm-SOBP, NIRS),2Gy, 8Gy, 16Gy, 24Gyの1回照射を行い,4,6,24,48時間後に摘出して,RNAを抽出してcDNAアレイ解析,階層型クラスタリング,Gene Ontology解析,Pathway解析,リアルタイムPCRを実施した.パラフィン包埋切片では,CD133,CD44,Nestin,PTEN,GFAP,Ki-67等の免疫組織化学をおこなった。上衣芽腫では,2Gy照射後でも有意な遺伝子発現の変動を認めた。膠芽腫では,2Gy照射後における遺伝子発現は変動が乏しかったが,8Gyおよび16Gy照射群に遺伝子発現の変動がみられ,特に炭素イオン線16Gy照射後で最も明瞭であった。上衣芽腫では,p53, Bax, Fas, TRAIL, PI3K等の変動を認め,同時に高率なアポトーシス誘発も確認したが,膠芽腫ではp53R2, p70S6K, TRAIL-R, NF-kB, IkBa, IAP, STAT, HSP, VEGF等の変動がみられ,アポトーシス抑制,生存,他に関係する経路の関与が示唆された。免疫組織化学では,上衣芽腫の大部分の細胞が,Nestin強陽性,CD44弱陽性で,照射前後で有意な変化を認めなかったが,CD133は一部の細胞が弱陽性で,照射後に陽性率の軽度上昇が示唆された。膠芽腫では,大部分の細胞がCD44強陽性,Nestin陽性で照射前後で有意な変化を認めなかったが,CD133は一部の細胞が弱陽性で,照射後に陽性率の軽度上昇が示唆された。なお、X線による増殖遅延,再増大の有無の検討では,上衣芽腫の50%腫瘍制御線量が4~8Gy程度であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DNAアレイ解析後,リアルタイムPCR,癌幹細胞関連の免疫組織化学等を実施し,おおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画どおり研究をすすめ,特に増殖遅延計測,DNAアレイ解析,リアルタイムPCR,癌幹細胞関連の免疫組織化学等の相関についての検討を継続して実施し、これまでの成果とあわせて論文にまとめ,発表する。
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Research Products
(3 results)