2012 Fiscal Year Annual Research Report
医工薬学連携によるマージナルドナーに対応する新しい臓器保存方法の開発
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23390316
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
松野 直徒 独立行政法人国立成育医療研究センター, その他部局等, その他 (00231598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小原 弘道 首都大学東京, 理工学研究科, 助教 (80305424)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 肝臓移植 / 肝臓保存 / マージナルドナー / 持続灌流保存 |
Research Abstract |
1)肝臓血流シミュレーションモデル構築:CTを用いて生理的条件により合致する環境下で構築した肝血流コンピューターシミュレーションでモデル構築を行う。 2)温阻血障害肝を用いた持続灌流肝保存の研究:障害肝として心停止モデルである温阻血60分モデルにおいて冷温保存よりも本保存方法の特徴を生かして室温保存へ復温させることにより虚血再灌流障害を予防できることを見出した。また評価項目として組織ATP濃度などを評価項目に加えた。さらに保存温度を変更することに伴い保存条件の検討、特に灌流流量、灌流圧の再検討を加えた。さらに室温保存に適当な保存液の検討として分子鎖アミノ酸を加えた。保存装置に関して汎用性、機動性を持たせるための工業デザイン化を検討した。 3)ブタ肝移植モデルの改良:レシピエントブタの無肝期において門脈血流を受動的バイパスで迂回させていた点を、遠心血液ポンプを用いて能動的に迂回させる方法に改良した。 4)小動物用灌流保存装置の作成と灌流保存液組成の改良:ラット肝の灌流保存が可能な装置を作成した。灌流保 存液組成の探索的スクリーニングが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度からブタ肝移植モデルにおいてレシピエントブタの無肝期に遠心血液ポンプを用い、腸管うっ血を除いたことで移植実験の成績安定した。次年度はこの系をもってさらに詳細に保存時の温度条件について検討を加える。また、小動物用の灌流保存装置による実験が可能となったので、保存液や温度などのスクリーニング実験を加速する。
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Strategy for Future Research Activity |
1)肝臓血流シミュレーションモデル構築:CTを用いて生理的条件により合致する環境下で構築した肝血流コンピューターシミュレーションでモデル構築を行い、画像解析などによる一般化を試みる。 2)温阻血障害肝を用いた持続灌流肝保存の研究:障害肝として心停止モデルである温阻血60分モデルにおいて冷温保存よりも本保存方法の特徴を生かして室温保存へ復温させることにより虚血再灌流障害を予防できることを見出した。また評価項目として組織ATP濃度の他、組織中のサイトカインなどの発現やアポトーシスの程度を評価する。工業デザインした保存装置の試作を行う。 3)小動物用灌流保存装置の作成と灌流保存液組成の改良:ラット肝の灌流保存が可能な装置を作成した。灌流保存液組成の探索的スクリーニングを試みる。
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