2012 Fiscal Year Annual Research Report
放射線抵抗性がんの克服ー放射線増感性遊走阻害剤の開発
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23390352
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
石内 勝吾 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10312878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長嶺 英樹 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30573331)
筒井 正人 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70309962)
渡邉 孝 琉球大学, 医学部附属病院, 講師 (90573337)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 神経膠腫 / 遊走能 / 放射線抵抗性 / 一酸化窒素 / GluA1 |
Research Abstract |
平成24年度は、前年度に獲得した一酸化窒素を介する遊走性の亢進の分子基盤としてGluA1の腫瘍細胞膜へのtrafficking現象が関与するとする仮説を証明するために、腫瘍細胞およびNO合成酵素(NOS)系完全欠損動物(triple nNOS/iNOS/eNOS-KOマウス)を用いて、BS3による細胞質および細胞膜GluA1に分けて同定できるCrosslinking assayを行い放射線介入によるGluA1受容体の動態解析を施行した。動物モデルでは海馬を対象としてBS3処理後にウエスタンブロッティングを施行した。その結果、腫瘍細胞では照射により細胞質から細胞膜膜への移動を認め、被照射細胞では非照射細胞の2倍の細胞膜GluA1が検出された。さらに細胞質と細胞膜GluA1の分布比では非照射細胞が50:50であるのに対しいて被照射細胞 25:75とGluA1の局在の変化を伴っていた。この変化は放射線処理した細胞群でもBS3無処理では認められなかった事、またNOS欠損マウス由来海馬細胞では放射線介入による細胞膜へのGluA1の移動変化が無かったことから、一酸化窒素が誘導したものと結論した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
NO合成酵素(NOS)系完全欠損動物(triple nNOS/iNOS/eNOS-KOマウス)を用いた動物モデルでの実験は我々の仮説を支持するものであった。
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Strategy for Future Research Activity |
神経膠芽腫の放射線抵抗性の獲得に関する分子基盤としてNOによるGluA1のtrafficking現象を動物モデルおよび細胞モデルで捉える事が出来た。次年度ではNO-cGKII-GluR1-Akt signalingが実際に、術前に放射線治療を施した臨床症例でどのように働いているかを摘出病理標本で解析する予定である。
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Research Products
(15 results)