2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23390390
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
平松 祐司 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80218817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増山 寿 岡山大学, 岡山大学病院, 准教授 (30314678)
中村 圭一郎 岡山大学, 岡山大学病院, 助教 (90359886)
鎌田 泰彦 岡山大学, 岡山大学病院, 助教 (70346427)
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Keywords | インスリン抵抗性 / 妊娠糖尿病 / 妊娠 / 子宮体癌 / 多嚢胞性卵巣 / CAR ligand |
Research Abstract |
妊娠,非妊娠ICRマウスでCAR ligand(1,4-bis[2-(3,5-dichloropyridyloxy)]benzene;TCPOBOP)投与群,非投与群に分けて糖負荷試験,HOMA-IR,インスリン負荷試験,糖新生・脂質合成律速酵素の発現の変化を検討した。次にHepG2細胞を用いてTCPOBOPのCARを介した転写や律速酵素発現への影響やTCPOBOP存在下でのCAR結合配列への核内受容体coactivatorや糖新生促進転写因子の集積について検討した。また妊娠中同様の高性ステロイドホルモン状態のIRやCARを介したシグナリングへの影響を調べた。更にCAR活性化の高脂肪食飼育妊娠マウスへの有用性について検討した。妊娠マウスでは糖新生・脂質合成律速酵素発現の増加とIR亢進を認め,TCPOBOP投与により非妊娠マウスのレベルまで抑制した。In vitro実験ではTCPOBOPはCARを介した転写を誘導したが律速酵素の発現を抑制した。この効果はCAR発現抑制により消失した。またligandの存在下でCAR結合配列に糖新生促進転写因子の集積を認め,このことが糖新生抑制につながっている可能性が示された。妊娠中同様の高性ステロイドホルモン状態導入は非妊娠マウスのIRを惹起し,in vitroではCARを介した転写を抑制し律速酵素の発現を増加,CAR結合配列への糖新生促進転写因子の集積を抑制した。更にCARの活性化は高脂肪食飼育妊娠マウスの糖・脂質代謝を改善し血圧、蛋白尿の症状を改善した。以上よりCARは妊娠中のIRに関与しており,妊娠中の高ステロイドホルモン血症がCARシグナリングを抑制しIRを惹起している可能性が示された。 TCPOBOP投与により妊娠マウスのIRが改善し症状改善していることから,CARは治療標的となりうると思われた。 子宮体癌細胞株の6種類(Ishiksawa、HEC-50B、HBC-251、KLE、HEC-1A、RL95-2)を用いて、CD26の発現量を測定すると6種類の蛋白、RNAいずれも高発現していた。そとでCD26は子宮体癌の癌抑制分子標的遺伝子として、抑制できる否かSiRNAを用いて、検討すると、6種類いずれも抑制可能で、特にKLE、HEC-1A、RL95-2の3種類の細胞株で著明に抑制し、その作用として、アポトーシスと関連することを突き止めた。今後、より癌抑制作用機序についての解明を行い、マウスを用いての実験も予定しており、子宮体癌においてCD26が一石を投じる新たな分子標的療法になればと思い、研究を継続している。 インスリン抵抗性との関連が知られる多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)女性における、正常女性との末梢微小循環の差異を検討するため、リストアップした患者のデータをカルテより抽出した。さらにこれらの患者に対して、TAS9((株)まるお)を用いて末梢血管抵抗を測定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
周産期領域のインスリン抵抗性に関する研究は順調に進んでいるが、子宮体癌、多嚢胞性卵巣での研究がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
周産期領域のインスリン抵抗性に関する研究はこのまま推し進める。子宮体癌、多嚢胞性卵巣での研究は加速し、学会発表,論文発表を増やす予定である。
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Research Products
(41 results)