2011 Fiscal Year Annual Research Report
抗ヒスタミン薬を応用した新しい抗ブラキシズム療法の確立
Project/Area Number |
23390439
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Field |
Prosthetic dentistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡辺 誠 東北大学, 大学院・歯学研究科, 客員教授 (80091768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 康男 東北大学, 大学院・歯学研究科, 大学院非常勤講師 (50005039)
土谷 昌広 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (60372322)
山口 哲史 東北大学, 病院, 助教 (50400263)
三好 慶忠 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (10508948)
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Keywords | ブラキシズム / ヒスタミン / 咀嚼機能 / 慢性筋痛 |
Research Abstract |
ブラキシズムは顎関節症の増悪因子であり,筋・筋膜症状を悪化させる.特に睡眠時のブラキシズムへの対応は,臨床的に困難であることが多い.しかしながら,治療法はスプリント装着という対症療法のみであり,他の治療選択肢は見当たらない.申請者らは,顎関節症に伴う筋症状に抗ヒスタミン薬が著効することを示したが,近年,抗ヒスタミン薬に過剰な筋活動を抑制する効果があることも見出した.本研究ではブラキシズム患者への抗ヒスタミン薬の抑制効果を示すことで,対ブラキシズムの新規治療法を確立することを目的として行った. まず、筋活動への影響を確認するため,強制歩行モデルを用いた抗ヒスタミン薬投与に伴う疲労耐性への影響について検討を行った。Balb/c雄性マウス(5-7週齢)にFexofenadine (4mg/kg BW in Saline)を腹腔内投与後に強制歩行を行わせた。その結果、抗ヒスタミン薬を投与された群では有意に早期に歩行を停止し、易疲労性となることが明らかとなった。その起因メカニズムとして、ヒスタミンによる微小循環維持機構の阻害が考えられた。 まず、エバンスブルーを用いた血管浸透性の検討を行った。尾静脈より1%エバンスブルー染色液を注入し,摘出した大腿四頭筋に等量のホルムアミドを加え,over nightで組織移行した染色液を抽出し,比色法により筋組織の血管浸透性について評価を行った.しかしながら、それによる有意な差は認められなかった。次に、筋組織内のグリコーゲン量に関しては、抗ヒスタミン薬の投与による有意な減少が認められた。加えて、ヒスタミンにより誘導されるとの報告のある内皮型一酸化窒素合成酵素の発現、および酸化窒素代謝物量が低下していることから、抗ヒスタミン薬が歩行程度の生理的運動において、その筋活動を阻害する可能性が示された。 以上の結果は,臨床試験から得られるであろう筋活動の減少と顎関節症状の改善という結果を裏付けるものと考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
抗ヒスタミン薬による筋活動の抑制効果については、まず咀嚼運動で明らかとする前に、一般的な運動の実験モデルである強制歩行を用いて行った。その結果,我々の仮説を立証するうえで非常に有用な結果が出たものと考えられる。すなわち,抗ヒスタミン薬投与によって,運動時の筋組織内で生じる微小循環の上昇が障害され,結果としてその経時的な筋活動量の減少を促し,その疲労耐性を低下させることが示された.このことは、本年度が今後の研究計画を進める上で重要な指針を与える年度となったことを示している.
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Strategy for Future Research Activity |
我々は過去にマウスに自発的な咀嚼活動を促し,そのプラスチック板の減少量から咀嚼活動抑制量を定量的に検討可能な実験系について報告を行っている.初年度は一般的な運動モデルである強制歩行によりその仮説を実証できたことから、次年度は上記の実験系を用いて抗ヒスタミン薬の筋活動抑制の効果とその作用起序について明らかとしたいと考えている。次年度に得られるであろう、抗ヒスタミン薬による咀嚼運動量の低下とその有効濃度の情報は、その後の抗ヒスタミン薬を用いた臨床試験から得られるであろう,筋活動の減少と顎関節症状の改善という結果に直結するものと予想される.
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Research Products
(4 results)