2013 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の口腔機能と精神的・身体的老化度ならびに長寿との関連:百寿者を中心に
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23390440
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
池邉 一典 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (70273696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香川 良介 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (40448147)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 歯学 / 老化 / 栄養 / 歩行 / 咬合力 |
Research Abstract |
目的:最大咬合力の低下による栄養摂取の変化が,歩行の速さの低下に関連するという仮説を立て,横断研究の結果から統計学的検証を行った. 方法:分析の対象者は,自立した生活を送っている69-71歳736名と79-81歳717名とした.まず,必要な人は義歯を装着した状態で,最大咬合力を測定した.栄養摂取の評価には簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ)を用い,タンパク質摂取を算出した.また,筋力の指標として握力,下肢の運動機能として歩行の速さを測定した. 統計的分析は,歩行の速さ(サルコぺニアの診断基準の1つである0.8m/s以下=0, それより速い=1)を従属変数としたロジスティック回帰分析を行った.独立変数は,年齢,性別,握力,最大咬合力,タンパク質摂取とした.オッズ比算出のための単位は,各測定値の四分位偏差とした.統計学的有意水準は5%とした. 結果:歩行の速さが0.8m/s以下の者の割合は27.4%(70歳群:22.8%, 80歳群:32.1%)であった.まず,ロジスティック回帰分析の結果,歩行の速さに対して,握力とともに,最大咬合力(オッズ比:OR=1.17, 95%信頼区間:1.07-1.28, p=0.001)とタンパク質摂取(OR=1.13, 95%信頼区間:1.04-1.22, p=0.002)は,有意な独立変数であった.したがって,咬合力を維持・回復することによって食事中のタンパク質摂取を維持・増加し,歩行機能の低下,さらにはサルコペニアを予防できる可能性があると考えられた. 結論:最大咬合力が,歩行の速さと関連し,そのメカニズムの1つとして,タンパク質摂取を媒介することが体系的に示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
被験者数も当初の計画通りであり,分析も順調に進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
計画通り,フォローアップ調査を進める.
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Significance of occlusal force for dietary fibre and vitamin intakes in independently living 70-year-old Japanese: from SONIC Study.2014
Author(s)
Inomata C, Ikebe K, Kagawa R, Okubo H, Sasaki S, Okada T, Takeshita H, Tada S, Matsuda K, Kurushima Y, Kitamura M, Murakami S, Gondo Y, Kamide K, Masui Y, Takahashi R, Arai Y, Maeda Y
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Journal Title
J Dent
Volume: 42
Pages: 556-564
DOI
Peer Reviewed
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