2011 Fiscal Year Annual Research Report
多糖類-骨形成因子複合化3次元造形スキャフォールドによる骨誘導性移植材料の開発
Project/Area Number |
23390454
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
河合 達志 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (60167351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鶴田 昌三 愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (40183488)
林 達秀 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (70367621)
前田 初彦 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (30175591)
上野 温子 (石川 温子) 愛知学院大学, 歯学部, 助教 (70469013)
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Keywords | スキャフォールド / BMP / 金属 / 3次元造形 / 多糖類 |
Research Abstract |
1 実験の目的:骨欠損形態の3次元データをX線CTで入手後、金属系3次元造形スキャフォールドを作製し、BMP(骨形成因子)との複合化により新生骨誘導を行なう事。 2 申請時の計画:年度ごとに以下の4項目の実験を行なう予定である。 (1)3次元金属スキャフォールドの作製(23年度) (2)3次元金属スキャフォールドの表面改質(24年度) (3)骨形成因子とスキャフォールドの複合化(24年度) (4)骨形成因子・スキャフォールド複合体の新生骨形成確認(25年度) 3 本年度の進捗状況:予定通り、プロトタイプの3次元金属スキャフォールドの作製を行なった。メッシュ状の円筒形とし、網目の孔径は1mmとした。来年度の予備実験として骨形成因子(BMP)を複合化し、マウスにおける移植実験を行なった。その結果マウス大腿部筋肉部に新生骨誘導が確認され、新生骨は3次元金属スキャフォールドの周囲に形成され、一部はメッシュの内部にまで骨形成が進行している事が判明した。 4 本年度成果の意義、重要性:3次元金属スキャフォールドによる生体内部における新生骨誘導は世界で初めての実施例であり、この成功をもとに、特許申請を行なった。(特願:2012-058258)現在のところ動物実験のレベルであり、かつプロトタイプのスキャフォールドではあるが、新生骨誘導が可能であることが証明されたことから、今後の実験計画は当初のとおり遂行する予定である。 5 問題点と解決策:スキャフォールドの形状については未だその最適形状については生物学的見地からの結論は得られていないため、数種の構造設計を行ない、次年度、骨誘導実験を試みる。また当初から予想していたとおり、スキャフォールド内部への新生骨侵入が限局的であったことから、次年度からはスキャフォールド表面の処理を行ない、対処する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
23年度は当初の計画では3次元金属スキャフォールドの作製までを区切りとしていたが、今後の展開を速くするため、24年度分の骨形成因子との複合化実験も前倒しして行なった。この結果予想以上に適確に新生骨誘導を行なう事ができたため、当初の計画以上に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
スキャフォールドの3次元形状の決定に関しては生物学的な情報が不足しており、生体の骨の構造などを参考に、数種のモデルを構築する予定である。 またスキャフォールド内部への新生骨誘導のため、予定通り表面処理に着手する予定である。このため、キャリアにはデキストリンを予定しており、粘性係数の調整を行ない、最適条件を模索する。 また、プラズマ処理などの表面改質により、さらに骨形成因子とスキャフォールドとの複合化を確実にする方策も検討する。
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