2012 Fiscal Year Annual Research Report
看護師の16時間2交代および8時間3交代勤務の負担の実態と軽減策に関する研究
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23390499
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Research Institution | The Institute for Science of Labour |
Principal Investigator |
松元 俊 公益財団法人労働科学研究所, 研究部, 主任研究員 (20342686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 司 公益財団法人労働科学研究所, 研究部, 主任研究員 (10260134)
吉川 徹 公益財団法人労働科学研究所, 研究部, 主任研究員 (50332218)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 半日勤-深夜勤 / 逆循環3交代 / 14時間夜勤 / 仮眠 / 眠りモニタ |
Research Abstract |
1.看護師の8時間3交代勤務における日勤短縮の効果に関する研究 逆循環8時間3交代制度をとる病棟において、長時間夜勤をともなわず、深夜勤前の勤務間隔を延長し、夜勤後の休日の勤務間隔時間を減らさない勤務制として、半日勤-深夜の組み合わせを導入した場合の、深夜勤前の睡眠取得状況とその後の深夜勤務時の疲労感の変化を調べた。本調査には日勤-深夜を行う病棟に勤務する看護師20名(平均年齢34.4歳)が参加した。勤務時間および睡眠時間は生活時間調査によって調べた。勤務中の疲労感はVASを用いて、勤務前後と勤務中の休憩前後の4点で測定を行った。調査は現行の日勤-深夜での1ヶ月間と、半日勤-深夜の試行の1ヶ月間で行った。深夜勤前の睡眠時間は、現行日勤では119±65分(平均±標準偏差、以下同じ)、試行日勤では96±66分、試行半日勤では195±124分であり、試行半日勤が現行日勤と試行日勤に比して有意に長かった。しかし睡眠時刻分布では3条件とも21:30から22:30の間にピークが示された。その後の深夜勤時の疲労感は、いずれの勤務条件においても勤務前から勤務後に向かって疲労感が増大したものの、試行半日勤では現行日勤と試行日勤に比して勤務前から勤務後まで有意に疲労感が低く抑えられた。深夜勤務前の日勤を半日勤に短縮することに加えて深夜勤前の睡眠時間が120分以上とられた場合に、深夜勤時の疲労感が低く推移した。 2.看護師の16時間夜勤における効果的な仮眠の取り方に関する研究 長時間2交代夜勤における仮眠取得状況と睡眠構築からみた有効な仮眠について明らかにするため調査を行った。アイシン精機(株)の研究用「眠りモニタ」を用いて、病棟看護師の14時間夜勤中の仮眠の睡眠構築を調べた。同時に活動量計による勤務負担と主観的な疲れについて調査を行った。現在、調査が完了し、解析途上にある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度と同様に、実際の看護現場での調査受け入れ体制の都合や交渉の進展の違いにより、今年度は2つの調査研究の順序が当初の予定と変わって行われ、一部課題が次年度に継続された。また、調査計画についても、現場要望から調査時期の変更や測定指標について制限があった。しかし、年度をこえて複数調査と成果発表が同時進行しており、研究の遅れなく研究目的に沿った調査が実行できている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の主対象となる看護労働は、労働規模と社会的重要性に反して、負担の大きな勤務態勢が続いている。しかし、客観的データによる問題点の指摘と対応策の提案は寡聞にして知らない。そのため、実際の看護労働場面における負担実態と実現可能な軽減策の効果を示す必要性は変わらず急務である。本研究計画は、調査受け入れ先となる現場協力のもとでの介入調査研究であるため、調査の順序や時期、内容の変更があるが、社会的ニーズや現場ニーズに合わせた調整を行うことで、調査の実行可能性と有用性を高めていく。現在までに調査遂行上に大きな問題は発生しておらず、基本的には調査計画の通りにすすめていく。
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Research Products
(6 results)