2012 Fiscal Year Annual Research Report
「聴く」ことに焦点をあてた神経難病患者のための看護継続教育プログラムの検証
Project/Area Number |
23390505
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
原 三紀子 東京女子医科大学, 看護学部, 講師 (90291864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小長谷 百絵 昭和大学, 保健医療学部, 教授 (10269293)
佐藤 紀子 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (80269430)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 聴く / 心のケア / 神経難病患者 / 看護師 / 看護継続教育 / 教育プログラム |
Research Abstract |
本研究の目的は、看護師が神経難病患者へ心のケアとして「聴く」ことができるための看護継続教育プログラムの有効性を検証するものである。平成24年度は、教育プログラム検証のため教育セミナーを関東地方の2カ所(東京、神奈川)で開催した。教育セミナーは「第1回:神経難病患者の心のケアとして聴くことを考える」「第2回:神経難病患者の話を聴くことに伴う困難を探る」「第3回:神経難病患者との会話を広げ、深めるための“聴く”技術を学ぶ」をテーマに展開した。受講者は12名(女性12名、男性2名)で、東京セミナー(5名)、神奈川セミナー(7名)であった。学習方法は学習者が主体的にコーチングスキルを身に着けられるようにPBL(Problem Based Learning)の手法を取り入れた参加型学習の形式で行った。受講者からは、<自分自身の聴く姿勢や、聴き方の癖に気付いた><聴くことを通して患者との関係性に変化が生じた><患者の言葉の背後にある思いに目を向けられるようなった>などの声が聞かれた。また、第17回日本難病看護学会学術集会交流セミナーで、看護師が神経難病患者の話を「聴く」上での妨げとして捉えていた「時間」を取り上げ、41名の参加者と共にワークとディスカッションを行った。この結果は、日本難病看護学会誌に交流集会報告書にまとめた。秋季、カナダMcMaster大学の副学長Dr.Andrea BaumannとDr.Mabel Hunsbergerの両先生を招聘し、中間評価のための研究会を開催した(10月29日~11月1日)。両先生を交えてPBLを中心とした課題学習の結果ならびに今後の課題についてスーパービジョンを得た。セミナーの全体評価は、質問紙(Active listening scale)、学習シート記録、セミナー終了後の半構成的面接によるインタビュー結果をもとに分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は平成23年度に作成した、「聴く」ことに焦点をあてた看護継続教育プログラムをもとに、神経難病患者の看護にあたる看護師に東京と神奈川で実施した。また、日本難病看護学会学術集会の公開セミナーで、難病看護にかかわる看護師・保健師ならびにMSWなどを対象に研究者らが考える教育の要素ならびに実践方法等を紹介し、看護師が神経難病患者の話を聴くことの妨げとなっている「時間」について取り上げ意見交換を行うことができた。これらの結果をもとに、10月にカナダMcMaster大学よりDr Andrea BaumannならびにDr.Mabel Hunsbergeを招聘し教育セミナーの中間評価を行いプログラムを運営する上での示唆を得ることができたことからおおむね進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、中間評価で得られた示唆をもとに看護継続教育プログラムの内容を修正し、教育セミナーを継続開催してデータを収集する。 また、昨年度、看護継続教育プログラム受講後の看護師へのインタビューデーターの質的分析を継続して行う。
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Research Products
(3 results)