2012 Fiscal Year Annual Research Report
多理論統合モデルを用いた介護予防プログラム介入のランダム化比較試験
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23390527
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Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
村田 伸 京都橘大学, 健康科学部, 教授 (00389503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 潤 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (00304428)
山崎 先也 富山大学, 医学薬学研究部, 准教授 (20352354)
大山 美智江 福岡県立大学, 人間社会学部, 研究員 (40448816)
太田 保之 西九州大学, リハビリテーション学部, 教授 (50108304)
小野 ミツ 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60315182)
堀江 淳 神戸国際大学, 医療技術学部, 准教授 (60461597)
上城 憲司 西九州大学, リハビリテーション学部, 准教授 (90454941)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 多理論統合モデル / ランダム化比較試験 / 介護予防プログラム / 地域在住高齢者 |
Research Abstract |
24年度は、効果的な集団的介護予防プログラムの検証をランダム化比較試験によって検証した。対象は、福岡県飯塚市および佐賀県神埼市に在住している65歳以上の高齢者90名とした。介入方法は、ウォーキング群、太極拳群、レジスタンストレーニング群、特別な運動を行わない統制群それぞれ30名ずつを無作為割付けし、12週間の介入前後の効果判定を行った。効果判定は、身体・認知・心理機能について評価したが、認知機能評価としてのMMSを実施した後、身体機能評価として握力、下肢筋力、柔軟性、片足立ち保持時間、歩行能力、活動能力を評価した。また、心理面の評価として主観的健康感、生活満足度、生きがい感、人間関係に対する満足度を評価した。 その結果、最も実施率が高かったのはウォーキングであり、それに太極拳が続きレジスタンストレーニングが最も継続できていなかった。介入前後の測定値を比較すると、週3日、1回につき30分のウォーキングを12週間継続できた介入群25名の測定値は、介入後6分間歩行距離が延長し、主観的健康感、生活満足度、生きがい感といった心理面の向上が認められた。一方、その他の指標とした上下肢筋力や立位バランスなどの身体機能、および認知機能には有意差は認められなかった。なお、その他の介入群および統制群については、すべての測定値に有意差は認められなかった。 これらの知見から、ウォーキングによる運動介入は、地域在住高齢者の介護予防や健康増進に有用である可能性が示唆された。ただし、身体機能や認知機能を向上させるためには、本研究における介入の期間や頻度、および運動強度では十分ではないことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、集団的介護予防プログラムの効果判定がほぼ計画通りに行えた。ただし、対象者数が計画よりもわずかに少なかったこと、運動負荷量の設定が不十分であったことが課題として残された。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度は、効果的な個別的介護予防プログラムの開発をランダム化比較試験によって明らかにする。とくに自宅でも簡単に行える介護予防プログラム(個別的介護予防プログラム)を作成し、そのプログラムの介護予防効果(プログラム効果×プログラム参加率)を検証する。対象は研究1で研究2の対象としなかった200人の中からランダムに50人を抽出し、個別プログラム実施群とする。なお実施にあたり、TTMの構成概念であるステージアルゴリズム尺度を評価する。個別プログラムの内容について個別的介護予防マニュアルを作成して参加者に配付する。参加者には、配付したマニュアルに沿って実施内容をわかりやすく、デモンストレーションを交えて十分に説明する。また、実施の有無を介護予防マニュアルの後半部分に綴じるプログラム実施表にチェックするように指導する。
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Research Products
(13 results)