2011 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジア医療福祉にみる看護・介護人材送出実態の実証研究:対日EPA問題を中心に
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23401045
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Research Institution | Tenri University |
Principal Investigator |
奥島 美夏 天理大学, 国際学部, 准教授 (10337751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 光穂 大阪大学, コミュニケーションデザインセンター, 教授 (40211718)
石川 陽子 首都大学東京, 健康福祉学部, 准教授 (40453039)
鈴木 伸枝 千葉大学, 文学部, 教授 (70412731)
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Keywords | 文化人類学 / 社会学 / 看護学 / 経済学 / インドネシア / フィリピン / 保健医療 |
Research Abstract |
交付申請書の計画に従い、まずEPAの制度的変遷と問題点を整理する国内研究会を開催し(2012年1月21日、於:天理大学梅田サテライト)、研究協力者の佐藤千鶴子(アジア経済研究所研究員)、岡田智幸(奈良東病院事務長)、野村愛(聖隷福祉事業団)の3氏を招聘して研究報告・意見交換を実施した。 また、EPA候補者の学習・就労状況の研究分析を行うため、.研究協力者の尾形直子(NPO国際保健医療支援・研究センター事務局長)、有路智恵(上尾看護専門学校副学科長)、奥田尚甲(岡山大学客員研究員)らにより、外国人看護師候補の関西在住者30名に対して学習指導対策を行った(1月22日)。 上記2つの活動をふまえて、外国人看護師候補・看護師12名と、厚生労働省・JICWELS・AOTS・JICA・受け入れ機関(3病院)・日本語学習指導者の18名を招聴し、プロジェクト・サイクル・マネジメント(PCM)手法を用いたワークショップを開催(2月26日)。EPA制度の当事者たちによる学習・就労問題の解決法模索を試みた。得られた成果は、PCMの専門ファシリテーターによってまとめられ、参加者全員にも還元された。 海外での研究調査としては、2012年2~3月にかけて、東南アジア諸国で医療福祉制度と人材育成の現状調査が行われた。インドネシアでは奥島、池田光穂、研究協力者の合地幸子(東京外国語大学大学院博士課程)がジャカルタとジョグジャカルタの保健省・看護学校・介護施設を中心に、フィリピンでは奥島、鈴木伸枝、連携研究者の高畑幸(静岡県立大学)、研究協力者の野村愛がマニラ、スービック、サンボアンガの介護施設・看護栄校を、そして昨年11月にEPAによる介護福祉士候補派遣が決定されたベトナムでは、研究協力者の新美達也(中央大学大学院博士課程)がナムディン、ラムドン、ホーチミンの保健省・保健学校を中心に調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は追加採択のため、実質的な活動期間が3か月ほどであったが、連携研究者・研究協力者11名の協力を得て、交付申請時の計画内容をすべて遂行することができた。また、EPAの所轄・受け入れ機関・候補者の積極的な協力を得て、当初の計画より多人数の意見を反映させて有意義なPCM分析を行うことも叶った。
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Strategy for Future Research Activity |
2012年度は、フィリピンとベトナムにおける保健医療分野の基礎データ収集・取材、およびまだEPAによる人材受け入れが開始されていないタイの現状調査を優先的に進める。また、国内においては外国人保健人材の定住化に伴う雇用契約トラブル、帰国費用・住民税の負担、家族呼び寄せなどの社会問題が徐々に増えており、その研究調査を進める。
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Research Products
(10 results)